「根性ツバキ」

【大紀元日本4月22日】岡山市半田山植物園は満開の桜を愛でる人々でいっぱいです。そのなかに、根性ツバキの札を見つけ近寄ってみると、直立したツバキが白いをつけていましたが、心なしか寂しげで窮屈そうでした。

排水溝の穴を突き破るように伸びるツバキの幹

根元を見ると、排水溝の空気抜きの穴でしょうか、その内の一つから木が育ち、生長した幹が穴いっぱいに太っています。一つの穴の直径は5センチ弱です。栄養は根から十分摂れていたかもしれませんが、酷暑や厳寒に耐え、ただひたすら光を求めて伸びたようです。

隣のツバキ

一方、1メートルほど離れた盛土には、同じ背丈の白いツバキが伸び伸びと枝葉を広げて咲いているではありませんか。今年この園では、2カ月も遅れての開花だそうです。万葉の昔から愛されている椿。花はもとより幹、枝、葉、そして種子(実)から採れる油、灰になってからも人々の生活に溶け込んでいる植物です。文学をはじめとして、茶花、染料、整髪にまでも数え切れないほど様々に利用されています。

ツバキの花

「根性」のある植物としては、道のアスファルトを持ち上げて根を張る竹があります。また、かつてはダイコンなども話題にのぼりましたが、このツバキも環境に負けず、元気に育ち花を咲かせ続けて欲しいものです。

(文/写真・鶴山)