【漢方の世界】汗―「五種の液」のひとつ

【大紀元日本8月25日】「汚い」「くさい」など、とかく現代人からは嫌われがちな汗。だが、これは人体にとって必要不可欠な要素である。風邪をひいたり、スポーツをしたり、食事を取ったりして体温が上がると、汗が分泌される。この汗は、蒸発するときに皮膚の熱を奪ってくれるために体温が下がる。一方、このような正常な汗のほかに、病的な汗もある。

漢方では病的な汗を「自汗」と「盗汗」の二つに分ける。どちらも、汗をかくべき理由もないのに出る汗のこと。「自汗」は起きている時にかく汗を指し、「盗汗」は眠ってからかく汗を指す。

自汗は「陽虚」、盗汗は「陰虚」によるものと考えられている。すなわち、自汗は陽気が不足し、盗汗は陰液が不足している状態のこと。したがって漢方治療の際には、自汗に対しては陽気を補い、盗汗に対しては陰液を補うようにする。

人体には汗のほかにも様々な体液があるが、漢方ではこれらを「五種の液」と呼び、重く見る。これらはみなそれぞれ、五臓と対応している。例えば、目から出る涙は「肝の液」、汗は「心の液」、よだれは「脾の液」、鼻水は「肺の液」、唾液は「腎の液」と考えられている。

従って、今回のように、汗が大量に出れば心血も不足する。よって、漢方で治療する場合は陽気または陰液を補うほかに、心血も補う必要があるのだ。

漢方は陰陽五行説、相生相克の理論に基づいて築き上げられている。したがって、人体のすべての物には対応する物があると見る。そう、人体はまさに小宇宙なのだ。

詳しくは新唐人テレビ局の『漢方の世界』でご覧下さい。

(翻訳・河合)