【漢方の世界】カルテ(八)―「子午流注」が治療の鍵
【大紀元日本7月27日】今回のカルテの主人公は、ある未亡人だ。彼女はかつて、飛行機事故で夫と子どもを亡くしていた。それ以来、毎日その事故の発生時刻になると、決まって感情が抑えきれなくなり号泣してしまうという。
精神科医も彼女の症状にはお手上げだったので、今度は漢方医を受診することにした。この漢方医は彼女を問診する中である点に気づく。それは、「発作の起こる時刻は、ちょうど気血が心経に注ぐ時間(午の刻)」ということだった。漢方医は、心(しん)も発作の原因だと考えた。つまり心理面、精神面だけが原因ではないと考えたのだ。
そこで漢方医は、心(しん)に対して治療を施した。まずは、心(しん)に関するツボへの鍼灸。例えば、「膻中(だんちゅう)」「内関(ないかん)」「神門(しんもん)」など。そして漢方薬も処方した。温胆湯(うんたんとう)や天王補心丹(てんのうほしんたん)、導赤散(どうせきさん)といった薬である。このように、心に対して治療した結果、程なくして彼女の病状は改善した。
関連記事
胸痛は狭心症や心筋梗塞の前兆で、放置すれば命にかかわります。血栓を防ぐ薬膳2選と、心臓を守る4つの習慣を紹介。胸の痛みや息切れなどのサインを見逃さないことが重要です。
腎を補う前に――まず胃腸を整える 冬は「水の季節」とされ、体の中では「腎」に関係が深い時期です。ですから冬にな […]
ダイエット成功の鍵は、量を減らすことではなく代謝の根本を整えること。水溶性食物繊維で腸を整え、中医学の健脾祛湿で巡りを改善。牛肉とトマトのスープは、無理なく続けられる理想の痩せメニューです。
立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。