【大紀元日本10月8日】毒ミルク事件が中国で明らかになると、生産メーカー所在地区の弁護士は当局から被害者の代理人を引き受けないよう圧力を掛けられたことがわかった。ボランティアで法的援助を提供する他地区の弁護士も同様の圧力を受けたという。中国の法治国家への道のりはまだまだ遠いと専門家は分析する。
最初に問題が発覚された三鹿グループの所在地河北省の弁護士は当局から圧力をかけられ、被害者の弁護を引き受けないようと勧告されたという。ほかの地区の弁護士も同事件にかかわらないようプレッシャーを受けたという。
これについて、元山東大学教授の孫文広氏は「政府は有人ロケット打ち上げを大きく取り上げ、科学技術がいかに進歩しているのかを宣伝しているが、社会を大きく震撼させた毒粉ミルク事件の被害者の訴訟と損害賠償を阻止、法治国家を扮しようともせず、最低限の面子も失った」と政府の対応を痛烈に批判した。「この落差は中共統治下の中国がいかに遅れているのかを物語った。中国の法治整備は今後退しており、清の時代よりも遅れている」と憤りを隠せなかった。
北京理工大学の胡星闘教授は、「利益に目が暗む企業が長期的に違法行為を続けることができたのは、現行制度に問題があるからである。中央政府は消費者と弁護士の基本的権利を守り、消費者の訴訟を支持すべきである。でなければ、企業の違法行為はなくならない」と述べた。
中国では、弁護士資格は各省の共産党機関によって管理されているため、上級機関の決定に従わない弁護士は各種の理由で、資格を取り消される恐れがある。
二十数社の国産粉ミルクに有害物質メラミンが混入した問題で、被害者が数万人に上り、1万3千人の児童が入院し、少なく4人が死亡した同事件は社会を震撼させた。その後大手有名企業の製品も相次ぎリストアップされた。これらの製品は市場シェアの60~70%を占めているという。
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