【大紀元日本1月19日】急成長の経済発展や北京五輪の開催など、期待と不安が交差する中、中国への関心は高まるばかりだ。一方、現在の中国ではなく、中国古来の文化や思想にひかれる日本人も多い。来月、日本で上演される神韻芸術祭は、中国伝統文化の復興がテーマになっている。同公演は現在北米を中心に行われているが、カナダで、俳優・監督・プロデューサーとして活躍しているマイケル・マホネン氏が、英文大紀元ネットに同公演の意義に関する文章を寄せた。同氏は、日本でもテレビドラマ「アボンリーへの道」で
マイケル・マホネン氏
ガス・パイク役で人気を博し、ファンが多い。
マホネン氏が寄せた文章は次の通り。
文化大革命(1966年~76年)は中国全土に徹底的な破壊をもたらしたが、そのことは外部世界にはほとんど知られていない。中国五千年の伝統文化は中国共産党により根絶され、共産党のイデオロギーに取って替えられた。
実際、中国共産党が政権を取ってから40年間は中国については、一般の人々にはほとんど知られていなかったが、1989年の天安門虐殺事件で人民解放軍兵士が、民主化を訴える非武装の学生に向かって発砲する映像が、各国にニュースとして流されて初めて中国の実態をかいま見たのである。学生たちが必死に血に染まった遺体を運び出すのを、世界中は目にし、平和を訴える若者が逃げまどいながら、戦車にひき殺される状況を耳にしたのである。
中国は、数々の人権侵害や情報の統制、言論の自由への抑圧、精神的な修養への弾圧で知られている。チベット人やムスリムのウイグル人、カトリック教徒、家庭教会の信徒を次々と迫害し、気功で心身を鍛える法輪功修煉者への迫害を続けながら、世界中で防ぐことができたはずのSARS感染で、その情報を隠したために、多くの犠牲者をだした。さらに、汚染され、致命的な欠陥のある製品を製造することで、国際社会を危険に陥れた。中国のイメージは概して否定的なものだ。
金の力
しかし、1980年代、中国が経済の開放改革を進めて以来、財力をつけ、中国共産党は経済的な利害を条件に、人権侵害を不問に伏せてきた。中国の人権侵害を指摘しようと思う人々の利益を脅かし続けている。そのため、中国の人々が中国共産党から組織的な虐待を受けているにもかかわらず、政府やビジネス関係者、メディア関係者は、具体的な行動に出ることはしなかったのである。
実際、企業の中には、結果的に中国人民の虐待を幇助してきた企業もある。例えば、グーグルやヤフー!、ノーテルなどは、中国当局による抑圧行為に加担した事実を正当化しているのではないかと、人権団体や心ある政治家から問われている。
当然のことながら、実業家らは、中国でビジネスを進めるにあたって、良心や名声を犠牲にしているという高い代償を支払っているのではないかという点については議論を避けたいところだ。
製造業者の中には、「メイド・イン・チャイナ(中国製)」と表示するラベルを付けるのを避けているところもある。小売業者の中には、扱っている商品が中国製である事実を前面に出さず、あいまいにしているところもある。中国製であることを認めると、株価が反応して、身動きができない―仕入れ先はすべて中国で製造しており、顧客の不安もわかっている…枚挙にいとまがない。
中国で利益を上げている人々でさえも、中国とは距離を置きたいと思っている。中国と関係を持つことは、不面目なことなのだが、必要性からやむを得ないと思っている。こうした人々は声に出して苦情を言いたいのだが、積極的に発言する人権活動家らと共通するところがある。実際の中国は、自分たちが知っているものとは完全に違っているという点で、思いは同じなのである。
ビジネスマンと人権活動家は、変わってしまった中国を理解する鍵が、中国の過去の歴史にあることをわかっていない。過去において、中国がかつて誇っていた本物の価値観や原則がある。この中国こそが、本来の中国であり、いまや誰でもそれにふれるチャンスがあるのだ。
本来の中国
今年5月までの毎夜、世界のどこかで、多くの人々が、歓喜と安堵、希望を与えられるだろう。神韻芸術団の世界ツアー公演を鑑賞すれば、本来の中国文化の優雅さ、品格、博愛がわかるだろう。中国と中国人を理解する上で、全く新たな認識が明らかにされるのだ。
中国の真の文化には、思いやりと寛容、慈悲があるという事実を知ることは、中国と国際社会の間にある理解のギャップをうめるものであり、中国とその将来への可能性に対して不可欠な希望を生み出している。また、そうすることで、中国とその人々が正統な威厳と品格を取り戻すことから、ビジネス関係者や各国政府関係者が誇りを持って付き合える中国の文化を提示してくれるのだ。
神韻芸術団の公演は、観客に中国の文化の正しい理解を提示してくれるだけでなく、現代社会における道徳心や精神的な価値観の崩壊を目の当たりにしている人々に前向きな模範例を示し、勇気を与えているのだ。
カナダ・オタワで公演を見たポール・J・デービッドソン氏(カールトン大学法学教授・アジア研究委員会議長)は、「すばらしいステージだった。重要な内容がたくさん盛り込まれている上に、とても楽しめた。わたしたちが考えるべきものが、はっきりと見せてくれた」と感想を述べた。
公演のメッセージは、あらゆる世代の観客の心に響いた。13歳になるベンジャミン・レイエス君は「とても良かった。ステージで上演された以上に深いものがたくさんあることがわかった。それらが組み合わさって、とても強い印象を与えている」と話した。
また、観客の一人ダリル・フーリーさんは、「このようなすばらしい文化が長い間、抑圧されていたのは本当に不幸なことだ。中国は今や国際社会の仲間入りしているが、人々は経済的側面に目を向けているようだ。中国共産党の観点ではない、中国を文化的な側面から理解するようにしてほしい」と語った。
フーリーさんの妻ステファニー・チトピンさんは、中国系二世だが、自身の文化的な継承、つまり、「中国人であること、その文化を知ることはどういうことか」を明確に理解したという。
理解の橋渡しは、双方から進められている。多くの大陸生まれの中国人も自らのルーツや歴史について、はっきりと理解するようになっている。
中華レストランのオーナー、レン・チンシェンさんは「どの演目も感動した。法輪功修煉者が迫害される場面は涙がでた。カナダには、自由と尊厳があるが、われわれ中国の同胞には、基本的な人権すらない」と話し、「われわれのような在外の中国人は、大陸の中国人を助ける闘いをすべきだ。中国人すべてがその真相を知るようになってほしい」と語った。
マイケル・マホネン…1964年4月27日生まれ、カナダ・オンタリオ州カークランド・レイク出身。日本でも、テレビドラマ「アボンリーへの道」でガス・パイク役を演じ、ファンが多い。1993年、テレビ番組などに与えられるカナダの「ジェミニ賞(米国のエイミー賞にあたる)」を受賞。法輪功修煉者が中国で迫害を受けている実態を脚本化した「サンドストーム(砂嵐)」(2004年制作) で、世界各国から29の賞を受ける。法輪功への迫害をテーマにした脚本を現在も執筆中。
神韻芸術祭…4大陸70都市220公演を超える世界トップレベルの芸術祭典。中国伝統文化の復興をテーマに、古典舞踊と最先端のデジタルスクリーンの美しい映像で世界中を感動の渦に巻き込んだ。日本公演は、2月12日の東京公演を皮切りに、名古屋・大阪で上演される。日本公演の詳細は、http://www.ntdtv.jp/gala/ か、または、各チケットコールセンター、東京(電話03-6380-6131)・名古屋(電話052-822-0280)・大阪(電話06-6967-2629)まで。
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