中国圧力に屈した米パサディナ市、新年祝賀パレードで「人権聖火リレー」の参加を拒否

【大紀元日本1月2日】米ロサンゼルス・パサディナ中国人権連盟は12月28日午前、カリフォルニア州ロサンゼルス郡のパサディナ市ヒルトンホテルにて記者会見を開き、CIPFG主催「人権聖火」が2008年1月1日に開催される第119回のローズ・パレードに参加しようとしたが、12月18日にパサディナ市に拒否されたことについて、その具体的な経緯を公開した。民主運動活動家・魏京生氏、パサディナ市議会のクリス・ホルドン議員、パサディナ人間関係委員会ケニス・ハーディ主席、パサディナ前市長ビル・パパリアン氏、五輪自由長距離競走発起人・陳凱氏および20以上のメディア関係者が記者会見に出席した。記者会見にて、魏氏は中国人権を非難したクリス・ホルドン議員およびケニス・ハーディ主席に対して、良知賞を授与し励ました。

魏氏は記者会見で、「1週間前にブルサルのEU連合ビルで友人とコーヒーを飲んでいたときに、イタリア政治家にパサディナ市はどこにあるのかの質問に対して、私はもう少しで北京郊外にあると答えそうになった。何故なら、パサディナ市は北京の指示に従うからだ」と皮肉った。この話は会場の人々の爆笑を誘った。

ローズ・パレードの主催者パサディナ市政府は元々「人権聖火リレー」のパレードを許可していた。すなわち、北京五輪を宣伝する中国側のフロート出場する1時間前に「人権聖火リレー」に因むリレー・セレモニーを行うことだったが、北京側からの圧力によって「安全を考慮する」理由で取り消しされた。これに対して、「人権聖火リレー」側は市政府に対して何度も抗議・交渉し、中国側の出場する1分前の7時59分に簡単な人権行進することを提案したが、これも拒否された。

魏氏は、ロサンゼルスの政府関係者の中に「北京の圧力に対抗し、中国の人権問題を人権報告書に盛り込もうと努力するケニス・ハーディ氏および中国の人権問題のために、北京指令に従うロサンゼルス市政府議員と激論したクリス・ホルドン氏を含めて、各方面からの情報でロサンゼルスの民衆およびメディアは真の米国精神を有していることを確認した」と強調し、パサディナ市政府の決定を非難した。

実際、パサディナ市議会は10月29日にローズ・パレードの特別会議があった。会議では、人間関係委員会主席のケニス・ハーディ氏が各方面の聴取を纏めた人権報告書を提出した。報告の中で、「中国五輪宣伝のフロートを支援する南カリフォルニア州大学とカリフォルニア工科大学の中国人学生会メンバーが提出した「政治は五輪に関与してはならない」ことに対して、委員会は同調し、「中国政府が基本人権の蹂躙などに関心を寄せることが政治的観点だ」として、「人権聖火リレー」は政治に関与すると見なした。

報告では、市政府に対して臨時委員会を設立し、中国人権問題をさらに考察する提案をした。しかし、すべての市議員がこの報告書を高く評価したにもかかわらず、市政府は提案されてことを何一つ受け入れなかったのだ。

中国人権連盟、カリフォルニア州工学大学法輪功(ファールンゴン)クラブ主席・李建中さん、良知基金会主席・陳師衆氏、国境なき記者団のヨシ・山中氏、チベットの友のチェテン・ファンヌチャラス氏などがトーナメント・オブ・ローズ・アソシエイションおよび市政府と交渉を続け、各人権団体がそれぞれのスローガンを打ち出す「人権聖火リレー」のセレモニーの再開に努力すると意気込んでいる。

中国人権連盟は記者会見で、2008年元旦に開催されるローズ・パレード期間中に、会場に集まった観衆らに、中国政府のフロートに対して全員が背を向ける運動を発起すると発表した。この運動は12月28日に芸術家協会の劉雅雅(リュウ・ヤヤ)さんがパサディナ市政府前の抗議活動で提案したもので、当日に「五つの手錠からなる五輪」を印刷してあるTシャツを観衆らに配布するという。

パサディナ市政府は、クリスマスイブに発表したニュース・リリースでは、談判が終了したのは、人権連盟側が市政府の提案を断ったからだという。

(記者・劉菲、翻訳/編集・余靜)
関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。