【大紀元日本7月1日】中国語の学習が世界的なブームになっている。しかし、中国大陸で使用されている簡体字(簡略化された漢字)の広がりによって、本来の正体漢字が次第に途絶えてしまうのではないかとの懸念が、台湾で起きている。
5月1日、台湾で開かれた新書『韓国の心・台湾の情』の発表会で、韓国の著名学者・金容沃(Kim, Yong-Ok)氏が、「正体漢字は、それ自身が一種の芸術であり、それを強制的に簡体字にするのは愚かな行為だ。大陸では少なくとも『正簡併用』案を取るべきだ」と語った。
台湾中央放送によると、金容沃氏が語った内容は次の通り。「『ビデオアート』の創始者で、世界レベルのアーティスト・白南準(Baik, Nam-Joon)氏は、韓国の新聞社に投稿する時、必ず大量の漢字を使う。もし新聞社から漢字を韓国字に直すように言われたら、投稿を撤回してもいいという。白南準氏から見れば、世界の中で漢字ほどすばらしい『ビデオアート』はないという。人類史上においても、漢字ほど偉大な創造はない。エジプトの象形文字が、効率の面で現代生活の要求に応えられないのに対して、漢字はあらゆる時代に適応し、今日のような電子時代にも存続しうる。このようなすばらしい『ビデオアート』を簡体字に変えるのは、いかにも愚かな行為だ」。
金氏は、大陸の簡体字を廃棄するよう主張しているのではなく、「正簡併用」を真剣に検討してもらいたいと強調し、特に古典文学や歴史学などの分野では、正体漢字を保存していくべきであり、簡体字のみを採用すると、古典文学が浅薄な学問になってしまうとの考えを示した。
最近、台湾で、正体漢字を保存するために、ユネスコに正体漢字を「世界文化遺産」として申請する動きがあるが、金容沃氏はこれに大いに賛同し、「正体漢字は『世界文化遺産』として登録する価値が十分ある。漢字の美をよく知っている韓国と日本もこのような有意義な行動に賛同するだろう」と語った。
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