臨死体験のなぞ

【大紀元日本6月11日】千人近くの臨終に付き添い、世界各地から2万人以上の臨死体験の症例を収集して研究した米国のエリサベス・キューブラー・ロス (Elisabeth Kubler-Ross, MD, 1926-2004)医師は、「人は死亡しても、生命は依然として存続しており、その意識は不死である」と確信した。またこの研究によって、キューブラー・ロス医師は「孤独に死んだ人はおらず、通常最も好きな人が迎えに来る。或いは自分が信仰しているイエス、聖母マリア、阿弥陀仏などが迎えに来る」ことが分かった。

キューブラー・ロス医師の研究によれば、人の死亡過程は3段階に分けられるという。第1段階は意識が身体から離れ、脳波が消失し、心電図も死亡状態を呈する。第2段階は、時空の制限がなくなり、行きたいところへ瞬間移動できる。この段階で、視覚障害者は見えるようになり、言語障害者は話せるようになり、耳が不自由な人は聞こえるようになる。第3段階は、時空を超えて過ぎた一生を振り返る。この段階での経験は、地球上の時間においてほんの数秒か数分間かもしれないが、意識が感じるのは、かなり複雑な過程である。

オランダの心臓病専門家ピム・ヴァン・ロメール(Pim Van Lommel)医師は、心臓疾患で一時ショックに陥った状態から蘇生された患者344例を対象に調査した結果、18%の人に臨死体験があったことが分かった。臨死体験の経験者のうち、30%の人はトンネルを通りぬけ、天国の光景を見たり、身内の人に出会ったりし、25%の人は意識が身体から離れた状態を経験し、13%の人は過去の一生を振り返ることを経験した。

臨死体験を経験した人たちは、その後の人生観に大きな変化が起こることも共通している。米国コネチカット大学のリング(Kenneth Ring)博士の調査によると、臨死体験者たちの大きな変化として (1) 平凡な経験を含め、生命のすべてを大切にする (2)物質生活の豊かさを求めなくなり、それらすべてが幻の存在だと認識する (3)競争の心が無くなり、思いやりが最も大切なことだと思うようになる (4)絶えず自分の霊性が向上するよう努力する (5)死んだ後も、生命が続くことを信じる (6)宇宙の中に超自然の力が存在していることを信じる。

「人は死ぬ時、生前に行なったすべての事に責任を負わなければならないことを分かったら、生きている時の生活態度を変えるようになるでしょう」とキューブラー・ロス医師は語っている。

(岳芸)

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