スペイン憲法裁判所:ジェノサイド罪の司法管轄権を認める画期的判断
【大紀元日本10月25日】スペイン憲法裁判所はこのほど、1978年から1986年の間にグアテマラで発生したジェノサイトおよび拷問などにつき、管轄権を認めなかったスペイン高等裁判所および最高裁判所の判決を破棄し、管轄権を認める判断を下した。これは、いわゆるユニバーサル・ジュリスディクションを認めたもので、前国家主席・江沢民、中国共産党中央政治局常任委員・羅幹および、その他共産党幹部に対するジェノサイト、および拷問を理由とする刑事訴追およびその他、類似の訴追の今後の展開に影響を及ぼすと見られる。
1992年のノーベル賞受賞者、リゴベルタ・メンチュウ氏がグアテマラにおいて発生したジェノサイドおよび拷問に対し刑事訴追を求めたケースで、司法管轄権の前提として、被告人又は被害者がスペイン人(属人主義)であること、または犯罪行為がスペインで行われたこと(属地主義)を要件とするとしたスペイン高等裁判所およびスペイン最高裁判所の判断を破棄し、ジェノサイドおよび拷問の罪等の「人権犯罪」については、被告人および被害者の国籍の如何、犯罪行為地の如何を問わず、スペイン裁判所は、捜査および刑事訴追の管轄権を有するとする、いわゆるユニバーサル・ジュリスディクションを認める判断を下した。憲法裁判所はその判決の中で、ジェノサイドは「被害者だけの問題でなく、国際社会全体にかかわる問題である。犯罪者の刑事訴追および処罰は、個々の国の責任に止まらず、すべての国に共通する目的である」と判示している。
2003年10月、法輪功学習者に対するジェノサイドおよび拷問等を理由として、前国家主席・江沢民、中国共産党中央政治局常任委員・羅幹およびその他共産党幹部に対し為された刑事訴追において、被害者の法輪功学習者を代理するカルロス・イグレシアス弁護士は、今回の判断は、1999年7月以来、中国共産党が行っているジェノサイドおよび拷問等に対する訴追に道を開くものであり、ジェノサイドおよび拷問に加担する中国共産党員およびその支持者等に対し、スペイン法制は、ジェノサイドおよび拷問に苦しむ法輪功学習者、並びにその他すべてのジェノサイドおよび拷問の被害者の側に立っていると警告している。