キシリトールの血中濃度が高い人は、このよく使われる砂糖代替品の値が低い人より、心血管イベントのリスクが高い、と観察研究は示します。
8月下旬に開催された欧州心臓病学会で発表されたこの研究では、体内の甘味料の値が高い人ほど、値が低い人に比べて、心筋梗塞、脳卒中、死亡といった重大な心血管系の問題のリスクが高いことが分かりました。
同学会が8月26日に発表したプレスリリースによると、研究者たちは、欧州がん前向き調査(EPIC)ノーフォークと、カナダ加齢縦断研究(CLSA)という2つの大規模な長期研究に参加した1万7710人のデータを分析しました。
CLSAのコホート(追跡対象集団)では、キシリトールの値が最も高かった参加者は、最も低かった群に比べ、6年間の追跡期間中に主要な心血管イベントが起きるリスクが57%高かったと、研究者たちは述べています。EPICのコホートでは、最も高い群は最も低い群よりリスクが18%高かったことが分かりました。
甘味料と心血管イベントとの関連は、「低カロリー製品を選びやすくなる要因ともなり得る、体格指数、高血圧、糖尿病、脂質値といった根底の要因とは無関係だった」と発表は述べています。
研究者たちは8月26日のプレスリリースの中で、今回の研究は観察研究であるため、キシリトールと心筋梗塞・脳卒中のリスクとのあいだに因果関係を推し量るのは難しい場合がある、と指摘しました。さらなる研究が必要だとも付け加えています。
「人工甘味料は、砂糖より健康だと考えて摂取する人々に使われており、規制当局からも一般に安全とみなされています」と、ベルリンのシャリテ大学病院のマルコ・ヴィトコウスキ医師は8月26日の声明で述べました。
「一般の人々を対象とした私たちの長期的な知見は、キシリトールの心血管系への安全性について、私たちがいかに知らないことが多いかを浮き彫りにしています。製品中のキシリトールの量が増え続けている今、さらなる研究の必要性を示すものです」と、この研究に関わったヴィトコウスキ氏は付け加えました。
キシリトールは、通常の砂糖と同じくらいの甘さを持つ、多くの野菜や果物、そして一部の樹木に自然に含まれる糖アルコールです。ハーバード医学院によれば、キシリトールは店でも売られており、白い結晶状の粉末です。
新たな研究で示された潜在的な心血管の問題とは別に、健康研究者は、キシリトールが下痢、ガス、膨満などの消化の問題を起こし得ると、アメリカ国立衛生研究所のウェブサイトに掲載された研究で述べています。
当局はまた、キシリトールが肝不全、危険な低血糖、そして死を引き起こす可能性があるため、犬に与えるべきではないと、長年にわたり警告してきました。
「もし飼い犬がキシリトールを含む製品を食べたと思われる場合は、すぐに獣医、救急動物病院、または動物中毒管理センターに連絡してください」とアメリカ食品医薬品局(FDA)はウェブサイトで述べています。
砂糖ゼログラム、または「シュガーフリー」と宣伝する製品が、必ずしもキシリトールを含むわけではありません。
ジョンズ・ホプキンス大学によると、他の砂糖代替品には、ステビア、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、スクラロース、アスパルテームなどがあります。このうちいくつかは天然由来ですが、アスパルテーム、サッカリン、スクラロースなどは人工的に作られたものです。
(翻訳編集 日比野真吾)
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