白髪が気になったら見直したい 頭皮と体のケア

白髪や抜け毛は、頭皮への栄養不足が原因であり、全身の健康状態を反映しています。

エヌビディアのCEOであるジェンセン・フアン氏は最近、白髪が話題になっています。彼は美容師に染めないよう指示し、「年齢にふさわしい自然な見た目」を望んでいます。彼の白髪は老けて見せるものではなく、むしろ個性的な特徴となっています。一方で若くして白髪になることは健康上の警告サインである可能性があります。
 

中医学で考える髪のダメージの3大原因

中医学の理論では、白髪の主な原因は以下の3つと考えられています。

1. 腎虚

中医学の古典には「髪の光沢は腎の表れ」とあり、髪は腎から咲く花のようなものとされています。西洋医学の腎臓とは異なり、中医学の「腎」は生命の根源に関わる精気とエネルギーを蓄えるエネルギーシステムの中心です。腎の気が十分であれば髪は濃く丈夫になりますが、腎気が不足すると髪が細く柔らかく、乾燥して脆くなり、早い段階での抜け毛や白髪につながります。

白髪や抜け毛のほか、腰痛、記憶力の低下、夜間の頻尿なども腎虚の警告サインです。

2. 血虚

中医学には「髪は血の余り」という言葉があります。つまり、健康な髪の成長には十分な血の供給が不可欠です。髪への血の供給が不足すると、髪はツヤを失い、白髪になりやすくなります。血虚は、髪の毛根にとって乾燥した土壌のようなもので、髪の成長が止まると抜け毛が起こります。

血虚の症状には、顔色のくすみ、疲労感、手足の冷え、睡眠の質の低下なども含まれます。

3. 気滞

長期間の精神的ストレスは気の流れを滞らせ、中医学で言う「気滞」の状態を引き起こします。気滞は血行を悪化させ、毛根への栄養供給を不足させます。

気滞のある人は、鬱っぽさや溜息が多く、胸や両脇の張りや痛みを感じやすく、女性の場合は月経不順も起こりやすい傾向があります。

現代の研究でも、白髪は全身の健康状態を反映していることが確認されています。 30歳以前の白髪は、高血圧、高血糖、腹部肥満などの心血管疾患のリスク因子と関連しています。
 

指圧と頭皮タッピング

中医学の観点では、白髪や薄毛は頭皮への栄養供給と血行不足が大きく関わっています。頭皮の健康をサポートする簡単な方法として、耳たぶを刺激する方法があります。耳たぶには頭部への血行に関わるツボが集中しています。

やり方

耳たぶを優しくつまんで動かしながら、頭皮を軽く叩きします。右手で右の耳たぶを押すときは左手で頭皮を叩き、左右を交互に切り替えます。動かす動作と叩く動作を同時に行います。

時間と頻度

毎日1回、約1分間行います。この習慣は洗顔後やテレビを見ながらなど、日常生活に簡単に取り入れられます。爪ではなく指の腹を使って優しく行い、皮膚への刺激を避けてください。

期待できる効果

毎日続けることで頭皮への血行が改善され、毛根への栄養供給が促され、健康的な髪の成長をサポートする可能性があります。
 

髪とアンチエイジングのための「三黒粉」

頭皮ケアは髪のケアの第一歩に過ぎません。根本的な体質改善の鍵は腎を養うことです。毎日の食事で腎を養うのが最も穏やかで持続的な方法です。

何首烏(カシュウ)、黒ごま、黒豆は、腎を養い髪の色を保つ「三黒の宝」です。中医学では黒い食品は腎経(エネルギーの通り道)に入りやすいとされ、腎とその関連するエネルギー循環システムを養う効果が高いと考えられています。これら三つの効能は以下の通りです。

1. 何首烏

伝統的な養髪薬で、肝と腎を補い、血と気を補います。細胞実験では、何首烏エキスが毛包の真皮乳頭細胞を活性化し、成長期を延長して退行期の開始を遅らせる効果が示されています。男性ホルモンが毛包に与える悪影響を軽減する効果もあり、髪の成長を促進します。

2. 黒ごま

肝と腎を養い、五臓(肝・心・脾・肺・腎)を潤し、長寿を促します。

3. 黒豆

血行を促進し、解毒し、肌を養い、アンチエイジング効果があります。

三黒粉の作り方と飲み方

黒豆、黒ごま、何首烏を同量ずつ炒って粉末にし、よく混ぜ合わせます。朝食時に豆乳やオートミールに小さじ1~2杯加えて摂取します。夜は温かい牛乳に少量加えると、睡眠の質を高め、エネルギーを回復させる効果が期待できます。何首烏、黒ごま、黒豆の粉末は市販品もありますし、信頼できる販売元から完成品の三黒粉を購入することもできます。

髪を染めた後に睡眠の質が悪化したり、寝つきが悪くなったという方を何人か見てきました。そのような場合は、三黒粉を摂取して体質を整えることをおすすめします。

注意事項

何首烏を扱う際は金属製の調理器具やスプーンを使用しないでください。下痢しやすい人は生のまま摂取しないでください。便が粘る人やニキビが出やすい人は、加工した何首烏を摂取すると症状が悪化する可能性があります。妊娠中の方や慢性疾患で薬を服用している方は、何首烏を摂取する前に必ず医師に相談してください。
 

髪に最も悪影響を及ぼす習慣

適切な補給に加えて、自然な色と艶のある髪を保つためには、以下の習慣を避けることが重要です。

  • 夜更かし:肝と腎を傷つけ、血虚を引き起こします。
     
  • 過度な性生活:腎は生殖を司るため、過度な性行為は腎精を消耗します。
     
  • 塩分の過剰摂取:適度な塩分は腎を養いますが、過剰な摂取は腎を傷つけます。
     
  • 急激なダイエット:栄養不足により髪が十分な栄養を受け取れなくなります。
     
  • 加工食品:油分と塩分が多く、栄養が不足しているため、頭皮や毛根に炎症を起こしやすくなります。
     
  • 生の卵白:生の卵白はビオチン(ビタミンB7)の吸収を妨げ、ビオチン不足は抜け毛の原因になります。

(翻訳編集 日比野真吾)

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。