私たちが「ただ、その場に立つ」ことを習慣にすると、驚くほど多くのことが可能になります。
これまで私が出会ってきた中で最も素晴らしい人たちは、誰かのために「いつもそこにいてくれる」習慣を持っている人たちでした。彼らは必要な時に顔を出し、物事に取り組み、最善を尽くします。その行動の積み重ねが、誰かの人生をより良いものに変えているのです。
もしあなたが「定期的にその場に顔を出す」ことができるようになれば、物事は確実に変わり始めます。
「Showing Up(ただ、その場に立つ)」とはどういうことか?
この「Showing Up」というアクションは、私たちの人生のあらゆる分野に応用できます。
- フィットネス(健康・運動):私がランニングを始めようとした時の目標は、ただ「靴ひもを結んで玄関を出ること」でした。走る気分になれなくても構いません。とにかく外に出る、それが必要なすべてでした。そうしているうちに、私は初めてのマラソンを完走できていたのです。 ジム通いも、ヨガも、スポーツも同じです。まずはその場に行くこと。そうすれば、必ず進歩が見えてきます。
- お金の管理:私の場合、これは毎日家計簿アプリを開いて、取引をざっと確認することから始まります。予算通りかチェックし、必要なら支払いや調整をする。たった1日5分から10分の作業です。やり方は人それぞれですが、定期的にお金と向き合うだけで、家計の状況は劇的に改善します。
- 瞑想:瞑想でマインドフルネス(心の平穏)を養うことは人生に大きな影響を与えますが、それは「定期的に座る」ことができて初めて意味を持ちます。私も忙しさを理由に、何度も挫折しかけました。でも、「ただ座布団の上に座ればいいんだ」と思い出したとき、自然と瞑想の習慣が戻ってきたのです。
- 大きなプロジェクト:作家の友人が言っていました。「毎日決まった時間に椅子に座るだけで、本は自然と書き上がる」と。プロジェクトに対して「Showing Up」するとは、まさにこういうことです。
- 片づけ:もし家の中に不要なモノの山があっても、1日10分だけ片づけに向き合えますか? 少しずつ手を動かせば、その山はいつの間にか小さな丘になります。
- メール:受信トレイが溢れかえっているなら、毎日少しだけ時間をとって整理しましょう。重要度の低いメールをアーカイブしたり短く返信したりして片付け、本当に大切なメールに返信する余白を作るのです。
- 学び:私たちは「継続して向き合う」ことで最も効果的に学べます。教科書を少しずつ読むのでも、暗記カードアプリを開くだけでも構いません。とにかく定期的にその場に立つことで、大きな成果が見えてきます。
おわかりいただけたでしょうか。「定期的にその場に立つ」という習慣は、人間関係や仕事、あるいは圧倒されそうな日々の雑務に至るまで、人生のあらゆる分野を変える力を持っています。
「Showing Up」の習慣をつくる方法
では、どうすればこの習慣を身につけられるのでしょうか? 答えは、「意図を持つこと」と「練習すること」です。
まず、意図を持ちましょう。 上記の分野から1つ選び、その分野で毎日(あるいはほとんどの日)、「ただその場に立つ」ことを意図します。完璧を目指す必要はありません。ただ「やるぞ」と決めて、それを書き留めてください。
そして、練習です。
- 忘れないようにリマインダーを設定し、カレンダーにも予定を入れましょう。
- 「Showing Up」のハードルを極限まで下げてください。靴を履く、椅子に座る、ファイルを開く――その程度で十分です。最初から欲張ってはいけません。
- 毎日その場に立ったとき、そこに何か楽しめる要素がないか探してみましょう。少しの遊び心、好奇心、感謝など、どんな小さなことでも構いません。
- 「とりあえずやってみる」ことの、何が心地よいかを感じてみてください。
- 実際にその場に立てた自分を認めましょう。自分を批判したりダメ出ししたりする癖はやめて、代わりに「よくやった」と自分を励ます練習をするのです。
- 1週間ほど続けると、何かが変わり始めていることに気づくはずです。
これは見過ごされがちなスキルですが、「定期的にその場に立つ(Showing Up)」ことこそが、すべてを変える鍵だと私は信じています。
(翻訳編集 井田千景)
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