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腎臓病初期症状とツボ・ハーブ療法の秘訣

腎臓は、体のフィルターとして、静かに健康全体をサポートしています。しかし、多くの人は知らず知らずのうちに腎臓を傷つけています。腎臓病の初期症状を認識し、簡単な食事療法やマッサージ療法を取り入れることで、腎不全を予防し、透析が必要になる可能性を減らすことができます。

腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。これは、腎臓病の初期症状が、わかりにくく、気づかないためです。症状が現れる頃には、病気は既に進行した状態になっていることが多くあります。2020年、アメリカ合衆国は台湾に次ぐ世界第2位の透析率を記録しました。これはアメリカ合衆国腎臓データシステム(USRDS)の報告によるものです。
 

腎臓病の早期症状

「She Health」プログラムで、台湾の林元全中医クリニック院長である林元全医師は、腎臓病の重要な警告サインを共有しました。これには以下のものが含まれます:

・泡状の尿: 持続的なまたは過剰な泡が尿に現れる場合、腎臓の問題を示して
いる可能性があります。

・浮腫(腫れ): 特にまぶた、顔、四肢の周囲に現れる全身性の腫れは、腎臓が損傷している可能性があります。

・高血圧: 研究によると、慢性腎臓病の患者のほとんどは高血圧も患っています。高血圧は慢性腎臓病の原因となるほか、病状を悪化させるため、悪循環に陥ります。

・貧血: 研究によると、慢性腎臓病が進行すると貧血になることが多くあります。これまで貧血の既往がない人に突然貧血が現れた場合は、腎機能の低下や、赤血球の生成を刺激するホルモンであるエリスロポエチンの減少を示している可能性があります。

  • 疲労:身体を激しく動かしていないにもかかわらず、頻繁に疲労感や倦怠感を感じる場合は、腎機能が低下している可能性があります。

リン氏は、これらの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診し、正確な診断を受けるよう勧めています。
 

腎臓損傷の一般的な原因

台湾は世界一の透析率を誇り、その主な原因は食習慣にあると林氏は指摘しています。彼は、腎臓の健康を損なう一般的な要因をいくつか挙げています。

可塑剤

食品に含まれるプラスチック添加物は、深刻な健康リスクをもたらします。コホート研究では、プラスチック添加物に接触したり、体内に入ってきたりすると腎臓損傷、悪性腫瘍、代謝症候群、心血管疾患のリスクを高める可能性があることが示されています。また、調査では、プラスチック製食器の頻繁な使用や、プラスチックフィルムで包んだ食品の電子レンジ加熱が、尿中のフタル酸代謝物(プラスチック添加物の分解産物)の濃度上昇と関連していることが示されています。
 

魚介類に含まれる重金属

研究によると、ヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの重金属は腎臓に損傷を与える可能性があります。マグロなどの大型魚は重金属を多く蓄積するため、これらを摂取する人の腎臓障害リスクが高まります。小型の魚を選ぶことで、重金属の摂取量を減らすことができます。

薬物の不適切な使用

西洋医学と伝統的な中国伝統医学の両方の過剰使用は、腎臓に害を及ぼす可能性があります。レビューによると、アセチルサリチル酸(アスピリン)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、特に高齢者や慢性疾患のある患者において、急性腎障害のリスクを高める可能性があります。

同様に、ステロイドの誤用は、急性腎障害を引き起こし、慢性腎疾患のリスクを高めることが示されています

糖尿病と高血圧

糖尿病や高血圧などの慢性疾患は、徐々に腎不全を引き起こす可能性があります。このリスクを軽減するため、患者は血糖値と血圧を定期的に測定し、腎機能検査を定期的に受ける必要があります。
 

腎機能改善のための中国伝統医学による治療

腎機能が低下し、腎臓が代謝老廃物を効果的に濾過できなくなった場合、透析または腎移植が必要となります。「腎疾患の初期段階か後期段階かに関わらず、伝統的な中国医学の治療法は腎機能を改善し、透析の必要性を遅らせるのに役立ちます」と林氏は述べています。

林氏は、推定糸球体濾過率(eGFR)が 29.7 mL/分/1.73m²(1 分間に体表面積 1 平方メートルあたりに濾過される血液の量)と、正常値を大幅に下回った腎不全の患者を治療した症例を紹介しました。

eGFR が 29 から 15 の場合は、腎臓病のステージ 4、つまり腎機能が低下している状態です。患者は顔色が黄ばんでおり、貧血の症状が見られました。1 ヶ月間の治療後、患者の eGFR は 36.5 に改善し、3 ヶ月後には 45.8 に達しました。

後方視的コホート研究によると、中等度から重度の慢性腎臓病患者で漢方薬を服用したグループは、対照グループに比べて生存率がが高く、病気の進行リスクが約 40%低かったことが示されています。
 

腎臓ケアのためのハーブティー

黄耆 (アストラガルス根)は、中国伝統医学で体の重要なエネルギーである「気」を強化するために広く使用されています。体系的なレビューでは、黄耆 が糖尿病性腎疾患患者のタンパク尿(尿中のタンパク質濃度の上昇)を軽減する可能性が示唆されています。ただし、その効果を確認するためには、さらなる臨床試験が必要です。

2021年の研究では、クコの実(ゴジベリー)が腎臓を保護し、急性腎不全の予防に役立つ可能性があることが示されています。

クコの実は天然の甘味があるため、林氏は糖尿病患者は適量に摂取すべきだと指摘しています。彼は、糖尿病患者には、腎臓と血糖値の健康をサポートするグリーンバナナ(調理用バナナ)とトウモロコシのひげ茶」を代わりに摂取することを推奨しています。
 
毎日の腎臓ケアには、2種類のハーブティーと2つのツボのマッサージをお勧めします。

【レシピ】黄耆とクコの実のお茶

材料:

  • 水 1000ml
  • 黄耆 15g
  • クコの実 15g

作り方:

  1. クコの実と黄耆を洗います。
  2. 材料を鍋に入れます。
  3. 中火で15分間煮ます。
  4. ハーブを濾します。お茶の出来上がりです。お好みで、煮たゴジベリーを食べても構いません。
     

【レシピ】グリーンバナナとトウモロコシのひげ茶

材料:

  • 水  1500ml
  • グリーンバナナ(調理用バナナ) 150g(乾燥の場合は半量を使用)
  • トウモロコシのひげ茶 35g(乾燥の場合は半量を使用)

作り方:

  1. 材料を十分に洗い、グリーンバナナを小口に切ります。
  2. すべての材料を鍋に入れます。
  3. 沸騰させ、弱火にして45分間煮込みます。
  4. ハーブを濾します。お茶は飲み頃です。
     

腎臓の健康をサポートするツボ

中国伝統医学では、気(エネルギー)は経絡に沿って体中を流れているとされています。これらの経絡上に位置する特定のツボを刺激することで、腎臓の機能を強化することができます。

研究によると、鍼治療は慢性腎臓病の患者に多くの効果をもたらす可能性があります。

  • 腎機能の改善
  • タンパク尿の減少
  • 高血圧と貧血の管理の改善
  • 痛み、尿毒症性そう痒症(持続的なかゆみ)、不眠症、疲労などの一般的な症状の緩和

鍼治療は腎臓の健康改善に非常に効果的ですが、適切な技術と資格を持った中医学の専門家または鍼灸師に治療してもらう必要があります。

患者は、以下の 2 つのツボを毎日優しく叩くことで、自宅で腎臓の健康を促進することもできます。

  • 関元(かんげん)のツボ
関元(かんげん)のツボ(大紀元)

このツボを刺激すると、腎臓の気が補充され、膀胱機能が強化されます。
 

  • 腎兪(じんゆ)のツボ
腎兪(じんゆ)のツボ(大紀元)

このツボを朝叩くと、腎臓の機能が向上し、腰痛が緩和されます。
 

タッピング技術

膝を軽く曲げ、手をゆるく握ってまっすぐ立ちます。まずは両手を使って「関元(かんげん)」のあたりを交互に軽くたたきます。「ポンポン」と音が鳴るくらいのリズムで、1日に36回行いましょう。

続いて、背中側にある「腎兪(じんゆ)」のツボをたたきます。左手で右側を、右手で左側を、それぞれ交互に36回ずつ。

正確な場所にこだわる必要はありません。ツボの周辺をやさしく刺激するだけでも十分に効果があります。

 
この記事で用いられている一部のハーブは馴染みがないかもしれませんが、健康食品店やアジア系スーパーマーケットで一般的に入手する事ができます。治療方法は個人差があるため、専門の医療従事者に相談し、個人に合わせた指導を受けてください。
 

(翻訳編集 呉安誠)
 

Rena Gao