ミラノの魅力を満喫する1日旅

その名前は、美しいものとそれを作る人々の代名詞です。そして、おそらく他の何よりも、お金、ショッピング、そしておそらくあなたが買い物をする余裕のない店を連想させるかもしれません。(私もそうです)しかし、ミラノの魅力は高級ブランドだけではありません。

イタリア第二の都市ミラノの魅力は、緑地や風変わりでクールな美術館、隠れた名所、そして壮大な広場にも及びます。そして、おそらく最大の魅力は、24時間でも多くのものを楽しむことができる点です。

 

到着

ミラノのマルペンサ空港(MXP)は、ミラノ市から北西に30マイル(約50キロ)離れた場所にあります。1909年に開港したこの空港は、最近、物議を醸した元首相シルビオ・ベルルスコーニ氏の名を冠しました。ローマのフィウミチーノ空港に次いで、国内で2番目に利用者の多いハブ空港です。

MXPの2つのターミナルには、ニューヨークやモントリオールなどの北米の都市を含む世界中から直行便が就航しています。タクシーやライドシェアサービスを利用して街の中心部まで移動することもできますが、おそらく最も簡単で費用対効果の高い選択肢は電車を利用することです。

マルペンサ・エクスプレスでミラノ中央駅まで約50分かかります。片道切符は13ユーロ(約2千円)ですが、MXPから飛行機で戻る予定がある場合は、オンラインで購入できる20ユーロ(約3千円)の往復切符をおすすめします。

 

モーニング

ミラノの最も偉大な象徴は、散策する価値にあります。ドゥオーモ(Duomo)は間違いなく、この街の富と権力の象徴です。正式にはメトロポリタン・カテドラル=聖マリア降誕大聖堂として知られていますが、実際には誰もそう呼んでいません。

1386年に建設が始まったこのゴシック様式の傑作には、レオナルド・ダ・ヴィンチを含むヨーロッパの巨匠たちが関わりました。サン・ピエトロ大聖堂はバチカン市国にあるため、ドゥオーモはイタリア最大の教会です。細部にこだわる人なら、丸一週間この場所を探索することも可能です。

A view of the Milan Cathedral and the nearby grand square. (Cultura Exclusive/Lost Horizon Images/Getty Images)
ミラノ大聖堂と近くの大広場の眺め(Cultura Exclusive/Lost Horizo​​n Images/Getty Images)

 

しかし、観光をスムーズに進めるためには、見どころに集中するのが一番です。まず、ミラノが西ローマ帝国の首都だった4世紀に遡るバシリカや洗礼堂の名残を見ることができます。そして、地上に上がり、そびえ立つ円柱のある聖域に驚嘆するでしょう。この内部空間は4万人以上が入れるほどの規模を誇ります。

最も印象的なのは、テラスです。エレベーターに乗り、数段の階段を登ると、主礼拝堂を覆う広大な屋上に出ることができます。135本の尖塔に囲まれ、中央には金色の聖母マリア像が飾られています。教会を見下ろすと、フライング・バットレスと3400体の彫像が目に入ります。眼下には賑やかな広場や街並みが広がり、その先にはポー渓谷を縁取る山々が見渡せます。

その隣には、ミラノで最も有名なもう一つのシンボル、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア(Galleria Vittorio Emanuele II)があります。賑やかで観光客も多い場所ですが、イタリア最古のショッピングギャラリーは、特に初めて訪れる人には畏敬の念を抱かせます。マーク・トウェインもこのギャラリーのファンで、『A Tramp Abroad(海外放浪者)』の中で「永遠にこのギャラリーに住みたい」と書いています。

Enjoy an elevated shopping experience at the Galleria Vittorio Emanuele II, one of the world's oldest shopping malls. (Tuur Tisseghem/Pexels)
世界最古のショッピングモールのひとつ、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアで、ワンランク上のショッピング体験ができる(Tuur Tisseghem/Pexels)
A detail of a floor mosaic inside the mall. (imageBROKER/Egon Boemsch/Getty Images)
ショッピングモール内の床モザイクの詳細(imageBROKER /Egon Boemsch/Getty Images)

 

鋳鉄とガラスで覆われたガレリアは、特に中央のオクタゴン(八角形)に目を奪われます。多くのデザイナーショップが並んでいますが、この「ミラノのリビングルーム」には、ミラノで最も古く、人気のあるレストランや歴史ある書店もあります。

このように、忙しい朝を過ごした後は、カプチーノやエスプレッソとともに、クラシックなイタリアン・カフェで一息つくのに良い時間です。

Soak in the city's atmosphere while enjoying a cup of espresso. (MStudioImages/Getty Images)
エスプレッソを飲みながら街の雰囲気に浸ろう(MStudioImages /Getty Images)

 

午後

日が暮れるにつれ、街の中心部はますます賑やかになります。だから、今はゆっくりとしたペースで、少し自然を見つけに行くのがベストです。その前にペックに立ち寄りましょう。ギャラリアから歩いて5分、脇道に入ったところにあります。1883年に生肉と燻製肉の工房として始まったこの店は、常に賑やかで、最高のイタリア料理を提供しています。

巨大なガラスケースの中には、さまざまな種類のチーズやソーセージが並んでいます。オリーブやオリーブオイルの棚、トリュフスプレッドやワインなど、アペニン半島で採れるものなら何でも揃っています。

隅から隅までゆっくり見て回れば、さらに素晴らしい料理が見つかるでしょう。エプロン姿の専門スタッフが真剣に仕事に取り組む姿を見るのも楽しいです。この賑やかな雰囲気の中、棚に囲まれた場所には、ピッコロ・ペックという小さなレストランがあります。

Peck is known for its top-notch food products. Wheels of Parmigiano-Reggiano grace its storefront. (BalazsSebok/Shutterstock)
ペックは最高級の品で知られている。パルミジャーノ・レッジャーノの輪切りが店頭を飾っている(BalazsSebok /Shutterstock)

 

現地の人気店なので行列ができるかもしれませんが、ミラノっ子に混じってランチを楽しむには絶好の場所です。カルパッチョやクリュディテなどの軽食からパスタの盛り合わせまで、何でも揃っています。ラザニアや、ビロードのようなトマトソースにパルミジャーノ・レッジャーノをまぶしたミート・ラビオリもおすすめです。

メニューの中には、テイクアウト・バーで食べられるものもあります。持ち帰り用の料理とワインをいくつか持って、センピオーネ公園にピクニックに出かけるのも良いでしょう。北西のセンピオーネ公園までは徒歩20分、トラム(路面電車)で9分です。

センピオーネ公園は、ミラノにとって壮大な場所です。100エーカー弱(東京ドーム8.5個分)の敷地を持つこの公園には、城、円形劇場、美術館、凱旋門、350フィートの鉄骨造りの塔があります。後者はトッレ・ブランカと呼ばれ、頂上まで登ればアルプスまで見渡せます。

Fall at the Sempione Park. (clodio/iStock/Getty Images)
センピオーネ公園の秋(clodio /iStock/Getty Images)

 

公園では、お弁当を食べる静かな場所を探しましょう。小さな湖のそば、人魚姫の橋の近くが良いかもしれません。亀が泳いでいるかもしれませんね。午後の暑さが増してきたら、広々とした木陰を楽しみ、英国式庭園を通る曲がりくねった小道を散歩するのも良いでしょう。

そこから地下鉄に乗りましょう(ミラノの地下鉄は速くて効率的で、安全で、手頃な料金です)。レッドラインに乗って東へ行くと、もうひとつの都会の静寂が待っています。ヴィッラ・ネッキ・カンピリオ(Villa Necchi Campiglio)は、1930年代の実業家一家の生活を通して描かれた、優雅な邸宅博物館です。外には、よく刈り込まれた生垣と風格のある木々が周囲の街の音を和らげ、噴水がプールに流れ込んでいます。

邸宅内では、ここに住んでいた家族のエッセンスを今でも感じることができます。熱心なボランティアガイドが家中の要所要所に配置され、歴史やデザインの要素を説明してくれます。クローゼットには衣類が残されたままで、サイドテーブルには白黒写真が置かれています。まるで昨日、ネッキ・カンピリオ夫妻がここを去ったかのように感じられます。「私は何度でもここに来たいです」と、最近訪れたガイドが語っていました。

The elegant interiors of Villa Necchi Campiglio. (Tara Van Der Linden Photo/Shutterstock)
ヴィッラ・ネッキ・カンピリオ(Villa Necchi Campiglio) のエレガントなインテリア
(タラ ヴァン デル リンデン撮影/Shutterstock)
The garden at Villa Necchi Campiglio offers a nice respite from the Italian sun. (Tara Van Der Linden Photo/Shutterstock)
ヴィッラ・ネッキ・カンピリオの庭園は、イタリアの太陽から逃れるのに最適な場所(タラ ヴァン デル リンデン撮影/Shutterstock)

 

夕刻

さあ、本番前に軽めの夕食を楽しむ時間です。ナポリがピッツァの発祥地であることは間違いありませんが、ミラノの迷路のような小道に並ぶレストランでも美味しいピッツァが楽しめます。例えば、カプレーゼ・サラダや、薪で焼かれたマルゲリータがおすすめです。(ハズレのお店を探すほうが難しいですが、筆者のおすすめは「ダ・レジーナ198⦅Da Regina 1985⦆」です)

その後、世界有数のオペラハウス、スカラ座で夜を過ごしましょう。何が上演されているかに関わらず、その場所にいるだけで価値があります。

世界的に有名なスカラ座オペラハウスの内部。(posztos/Shutterstock)
世界的に有名なスカラ座オペラハウスの内部(posztos /Shutterstock)

 

1778年に開場したスカラ座は、何世紀にもわたり、世界の偉大な作曲家や演奏家によるオペラを上演してきました。今日では、バレエ団やオーケストラの本拠地でもあります。座席に座って、音楽に身を委ねましょう。忙しい一日を締めくくるのに、ミラノが提供する最高の体験が待っています。

(翻訳編集 呉安誠)

素晴らしいストーリーを求めて世界中を旅するトロント在住のライター。7大陸140カ国を訪れ、ボツワナでライオンを徒歩で追跡し、モンゴルで恐竜の骨を発掘し、サウスジョージア島で50万羽のペンギンの間を歩いた。CNNトラベル、ブルームバーグ、ザ・グローブ・アンド・メールなど、北米最大の出版物に寄稿。