ストーンヘンジの祭壇石 600マイル離れたスコットランドから運ばれた?

地質学者たちは、環状に立ち並ぶ巨石で知られるイギリス南部の遺跡、ストーンヘンジの中心にある祭壇石の起源の謎を解明したかもしれません。

ストーンヘンジは、大きな石を環状や馬蹄形に配置したもので、外側の大きな石は「サルセン石」、内側の小さな石は「ブルーストーン」と呼ばれます。これらの石は遠くから運ばれてきたもので、その運搬方法や建設の目的については多くの謎が残っています。

従来、この石はウェールズ南西部のプレセリ丘陵から運ばれたと考えられていましたが、この説は後に否定されました。

新しい研究によると、ストーンヘンジの中心に位置する6トンの「祭壇石」は、イギリス北部スコットランドから600マイル(約965キロ)の長旅を経て運ばれた可能性があります。

科学誌「ネイチャー」に発表された研究によれば、この巨大な石をスコットランドから陸路で運ぶのは地形的に困難であるため、「海路で輸送された」と考えられます。

研究は、「このルートの選択は、新石器時代の英国国内輸送における高度な社会組織化を示している」と述べています。

ストーンヘンジは、地元にはない「異国的な石材」であるサーセン石とブルーストーンで構成されており、その中でも祭壇石は最も大きいブルーストーンです。

祭壇石の起源

ネイチャー・ポッドキャスト」の司会者ニック・ハウ氏は、祭壇石は長い間地質学者を困惑させてきたと語りました。

「その名前にもかかわらず、本当に祭壇として使われていたかどうかはわかりません。そして、今は別の石が上に倒れていて平らになっていますが、かつては立っていた可能性があります」。

ハウ氏は、この石は最も大きく、構造物の中心にあるため、研究者たちはその重要性を認識していると述べました。

彼によると、1万年前、ストーンヘンジは石ではなく木の柱でマークされており、それがこの場所が古代英国人にとって重要な意味を持っていたことを示唆しているといいます。

「その後、およそ6千年前に円形の溝が造られ、よく知られている円形構造の最初の痕跡が残されました」と彼は語りました。「この頃、ブルーストーンとして知られる一連の石が、ウェールズのプレセリ丘陵から約150マイルの旅を経てストーンヘンジに到着したと考えられています。」

数百年後、高さ20フィート(約6メートル)を超えるサルセン石がこの場所に運ばれ、持ち上げられて、今日ストーンヘンジとして知られるものが作られました。

研究の共著者で、イギリスウェールズにあるアベリストウィス大学の地質学者リチャード・ベビンズ氏は、祭壇石の保護規制により、直接のサンプル使用は許可されなかったため、19世紀に採取されたサンプルを使用しました。このサンプルを西オーストラリア州パースのカーティン大学の博士課程学生であるアンソニー・クラーク氏に送り、粒子ごとに分析しました。

クラーク氏は、この分析を基に祭壇石の「ユニークな指紋」を特定し、最終的にスコットランド北東部のアーケイディアン盆地でその起源を確認しました。クラーク氏はさらに研究を進め、祭壇石がどこから運ばれたのかを特定し、この二つの地域の関係性を示す情報を得ることを目指しています。

ただし、ストーンヘンジの謎はまだ尽きておらず、さらなる発見が期待されています。

 

エポックタイムズ記者。米国報道を担当。