「にんじん、卵、コーヒー豆?」 逆境を乗り越える母からの教訓

親たちも昔から また親の知恵を聞き、親は自らの経験を子供たちに伝えてきました。それは時には痛みを伴い、厳しいものでした。子供たちがこの教えを受け入れられるかどうかで、彼らの将来の成功や幸福、あるいは失敗や苦労を左右すると考えられています。

SNSにはたくさんの逸話があり、親の言う言葉には隠れた宝石のように親の知恵が溢れています。その中には、人生に挫折を感じた娘に対して、前進する道を指し示す母の話がありました。賢い母親が子供に示す例えはシンプルで、誰もが共感できるものです。
 

「あなたはニンジン、卵、それともコーヒー豆?」

話はこんな感じです。

物事が大変だと母親に訴える若い女性がいました。どう乗り越えればいいのか分からず、彼女は諦めたくなりました。毎日が挑戦の連続で、彼女は戦うことに疲れ果てていました。一つの問題が解決されると、またすぐに新たな問題が現れてくるようでした。

母親は娘を台所に連れて行き、3つの鍋にお湯を沸かしました。最初の鍋には生のニンジンを入れました。2つ目の鍋には卵を数個入れました。そして3つ目の鍋には挽いたコーヒー豆を入れました。

母と娘は、鍋をじっと見守っていました。母親は一言も発せず、娘はイライラしながら、母親が何をしているのか不思議に思っていました。20分ほど経過し、母親はコンロの火を止めました。そして、茹でたニンジンを取り出してボウルに入れ、ゆで卵を別のボウルに入れ、ひしゃくでコーヒーをボウルに注ぎました。

母は娘に「何が見える?」と尋ねました。

娘は「ニンジン、卵、コーヒー」と答えました。

母親は娘を自分のほうに引き寄せ、ニンジンを触るように言いました。娘にとってニンジンは柔らかく感じました。次に卵を割って触るように言い、娘はそうしました。最後に、母親は入れたてのコーヒーを一口飲むように言いました。娘は豊かな香りを楽しみ、そこでようやく笑顔がこぼれました。

コーヒーを飲みながら、娘は「ママ、これを見せてくれた意味は何?」と尋ねると、母親は語ります。

「これらの物はみんな同じく難しい状況に直面しているの。お湯が沸騰していたからね」

続けてそれぞれがどのように変化したかを説明しました。「ニンジンは硬くてギザギザとしていましたが、茹でると柔らかくて力を失いました。卵はもともとは非常に繊細でしたが、茹でられた後は固くなりました。しかし、コーヒー豆は違いました。変わるのではなく、お湯を変えたのです」

「あなたはどうしたいかしら?」母親は問いかけました。「困難が訪れた時、ニンジン、卵、それともコーヒー、どのようになりたい?」

もしも画面の向こうのあなたならば、どう選択しますか?  ニンジンのように最初は強くても、困難に直面すると柔らかくなってしまうタイプですか? 
それとも、最初は卵のように柔軟で、困難に直面すると硬くて順応できなくなるタイプですか?

それとも、困難に直面した時に、沸騰したお湯を香り高い美味しいコーヒーにかえるように、周りの世界を変えるタイプですか?  コーヒー豆は厳しい状況を、素晴らしい香りと豊かな味に変えてくれました。

あなたも物事が最悪の状態にあるとき、コーヒー豆のようにその状況を利用し、最高の自分を引き出し、環境を変えてみてはいかがでしょうか。

 

(翻訳編集:青谷荘子)