鼻呼吸の7つの驚くべきメリット(上)

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ウェルネス(より良く生きようとする生活態度)の流行は、より健康で幸せな生活を提供する約束のため、人を惹きつけます。最新のトレンドは「自らの口をテープで閉じること」の実践です。

この行為は、一見おかしいかもしれませんが、その目的は基本的な呼吸を促すことにあります。特に、鼻呼吸を促すことです。このトレンドは徐々に人気を集めており、ハリウッドの有名人からフィットネス愛好者まで、多くの人がこのトレンドに乗っています。

この珍しい流れの背後には何があるのでしょうか?最近の研究によると、鼻呼吸は口呼吸に比べて多くの利点があることが示されています。健康全般の向上、睡眠の質の改善、認知機能の強化など、鼻呼吸のメリットは多く、鼻呼吸を促すことは一過性のブームにとどまらないかもしれません。

呼吸の科学:基本を理解する

呼吸は当たり前のものとされています。しかし、鼻からなのか、口を通して呼吸するのかは、私たちの健康に深く影響を与えます。鼻呼吸と口呼吸の間の解剖学的および生理学的な違いは、私たちの体の酸素化と呼吸器系の健康に大きな影響を与えています。

世界に認められた呼吸の専門家でBreathpodの創業者であるスチュアート・サンデマン氏は大紀元に、「あなたの鼻は呼吸のために設計されています」と語りました。

サンデマン氏は、私たちの体は生まれながらにして鼻を通して吸い込み、吐き出すように設計されており、これには多くの健康上のメリットがあります。

しかし、鼻の詰まりやストレス、習慣的な行動などが原因で、多くの人が無意識に口で呼吸するようになっています。鼻呼吸に戻ることは、私たちの生理的な基盤への復帰であり、体が本来の機能を最適に発揮するのを助けます。

鼻呼吸する7つの理由

1. 病気を防御

私たちの鼻は、空気中の細菌や汚れから私たちを守る役割を果たしています。空気が鼻の中を通るとき、細かい毛と粘液がほこりやアレルゲン、その他の有害な粒子を捕まえて、それらが肺に届くのを防ぎ、呼吸器系の感染を防ぎます。

「Breathe」という本の著者ジェームズ・ネスター氏は、ポッドキャストで「鼻は細菌やウイルスから守る最初の防線」と述べ、鼻呼吸の大切さを説いています。ネスター氏は、「口を通して呼吸するとき、肺は基本的に(外部の臓器として)機能しています。それはすべてにさらされている」と口呼吸のリスクを強調しました。

「毒性学と環境保健」誌(Journal of Toxicology and Environmental Health)の研究によると、鼻呼吸は微細な粒子をフィルタリングするのに優れており、環境汚染から肺をより良く守ることができます。

私たちの腸内に微生物群があるように、口や鼻にも微生物群が存在します。神経科学者アンドリュー・ヒューバーマン氏はこの点を強調し、「鼻で呼吸することは、鼻の微生物群を最も健康に保ち、風邪やインフルエンザから効果的に守るための理想的な環境を提供します」と述べました。

鼻腔は、吸入した空気を体温に温め、加湿する重要な役割を果たしています。これは、呼吸器の健康を維持するために重要です。特に乾燥したり、寒い気候ではこの機能が重要で、乾燥した空気が肺や気道を刺激し、感染症への感受性を高めます。

2. 酸素吸収の向上

鼻呼吸は、血液中に取り込まれる酸素と二酸化炭素のバランスを整えるのに役立ちます。鼻の通路は一酸化窒素を産生し、これは血流の増加と重要な臓器への酸素供給に不可欠な役割を果たします。この過程は、酸素と二酸化炭素の交換を効率的に行い、心臓血管系の健康を保つために必要です。

研究によると、口呼吸ではなく鼻で呼吸する人は、血液中の酸素濃度が最大10%高くなります。これは鼻呼吸が血液への酸素供給においてより効果的であることを意味しています。

鼻を通して呼吸すると、口を通して呼吸する場合に比べて空気の流れに約50%の抵抗が生じ、酸素の取り込みが10%から20%向上します。この抵抗は酸素と二酸化炭素の交換を最適化し、重要な臓器への酸素供給をより効率的にし、健康と持久力を高めます。

3. 健康な笑顔を保つ

鼻からの呼吸は、単に空気を吸うこと以上の意味を持ち、口腔の健康にとって大きな助けとなります。口からの呼吸は、口内を乾燥させ、虫歯や歯周病の原因となります。一方、鼻からの呼吸は唾液という自然な洗浄システムを活発に保ちます。

DenScoreのCEOであるカイル・ゲルンホファー博士は大紀元に応じ、「鼻を通して呼吸することで、口内を湿った状態に保ち、唾液が歯や歯茎に有害な細菌が溜まるのを防ぎます。また、鼻呼吸は子供の顎の異常な成長を防ぐ助けにもなります」と述べました。

研究では、口からの呼吸が口内の酸性度を上げ、エナメル質の摩耗や虫歯のリスクを高めるとされています。逆に、鼻から呼吸する人は唾液の保護効果のおかげで、口腔の健康状態が良好なことが多いのです。呼吸の仕方は、私たちの歯の健康に長期的な効果を及ぼします。

4. 睡眠の質を向上させる

鼻呼吸に切り替えることは、より良い睡眠につながるかもしれません。睡眠中に口で呼吸すると、喉が乾燥し、睡眠が中断されることがあります。しかし、鼻呼吸は血中の酸素と二酸化炭素のバランスを保ちながら、より深く、途切れることのない睡眠を促進します。

ヒューバーマン氏は、夜間の口呼吸が睡眠時無呼吸症候群と関連しており、危険であると警告しています。「解決策は、できるだけ鼻呼吸を心掛けること、特に睡眠中はそれが重要です」と述べています。鼻呼吸に切り替えることで、呼吸パターンが安定し、睡眠の質が向上し、睡眠障害のリスクが減少します。

 

続く

10年にわたる執筆キャリアを持つベテラン看護師。ミドルべリー大学とジョンズ・ホプキンス大学を卒業。専門知識を取り入れたインパクトのある記事を執筆している。バーモント州在住。3人の子を持つ親でもある。