ビタミンB6(ピリドキシン)は、正常な脳の発達と神経系及び免疫系の健康維持に重要な栄養素です。機能的に見ると、ビタミンB6は「補酵素」としての役割を果たし、体内の新陳代謝に必要な酵素の補充機能を持っています。
メイヨークリニックの資料によると、アメリカでは、50歳以下の成人は毎日1.3ミリグラムのビタミンB6摂取が推奨されています。50歳以上の人では、女性は毎日1.5ミリグラム、男性は毎日1.7ミリグラムの摂取が推奨されています。
ビタミンB6が不足すると、かゆみを伴う発疹(皮膚炎)、口内炎、口角炎、舌炎、貧血などが引き起こされる可能性があり、極度の不足は免疫システムの低下、うつ病、精神障害、そして癲癇発作を引き起こします。
しかし、ビタミンB6を過剰に摂取すると、神経損傷を引き起こし、四肢の痛みやしびれ、さらには歩行困難や運動制御能力の喪失を引き起こします。また、皮膚の痛み、赤み、嘔吐、下痢、筋肉の萎縮も引き起こすこともあります。
どのような人がビタミンB6を欠いている?
アメリカのヤングインテグレーティブメディカルセンターの創設者であり医学ディレクターの杨景端医師は、彼の健康番組でこのように指摘しています。
ビタミンB6の不足はあなたが想像する以上に一般的であり、多くの症状はこの種のビタミン不足が原因で起こります。適量を補給すれば、長年人を悩ませてきたいくつかの厄介な症状を解決できるかもしれません。
理論的には、日常の食事から十分なビタミンB6を得られるはずですが、特定の理由で一部の人はビタミンB6をより多く必要とすることがあります。例えば、消化吸収が悪い人や食事のバランスが取れていない人は、体内でビタミンB6を活性型に変換できないのです。
さらに、妊婦やピリドキシン依存症の人々のように、ビタミンB6を体内に取り込めない人もビタミンB6の不足に陥りやすいのです。
これらの12の症状がある場合、ビタミンB6が不足している可能性があります:
1. 情緒や行動が不安定。こういった人々は感情が容易に揺れ動き、プレッシャーに耐えられず、しばしばうつ状態、不安、不眠、イライラに陥りやすくなります。
2. 痛みが増加することも、ビタミンB6の不足が原因かもしれません。
3. 自閉症の患者。B6は多くの神経伝達物質の生成に重要であり、GABA、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどを含むため、自閉症の子供の約半数がB6を補充すると症状の緩和に役立つ事が実証されています。
4. 慢性感染症の患者。一部の人は新型コロナウイルスの症状が重かったり、ワクチン接種後の副反応が大きかったり、または新型コロナウイルスの症状が長引くことがあります。B6の不足は、白血球(T細胞を含む)の生成を減少させる一方で、私たちの免疫機能に役立つ白血球介在物質-2というタンパク質の生成を助けます。
5. 自己免疫疾患の患者は、B6をより多く必要とします。
6. 手足のしびれやピリピリ感を頻繁に感じる人。B6が不足すると周辺神経の損傷が生じ、不器用さ、バランスの悪さ、さらには歩行困難を引き起こす可能性があります。
7. 皮膚に発疹やニキビ、脂漏性皮膚炎などの問題がある人。B6はコラーゲンの合成に関与しており、コラーゲンは健康な皮膚に必要です。
8. 唇や口角が頻繁にきれたり、痛んだり、腫れたり、さらには出血や感染を起こす人。ビタミンB6不足が考えられますので、鉄分やB12なども補給する必要があります。
9. 舌が炎症を起こし、痛み、腫れ、嚥下、咀嚼、話すことが困難な人は、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12の補給を検討しましょう。
10. 慢性的な疲労や貧血に悩む人。ビタミンB6の不足が考えられ、疲労感や無力感を常に感じることがあります。その理由は、B6の不足により十分なヘモグロビンの生成ができず、全身に酸素を運ぶことを阻害するからです。
(つづく)
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