断食がコロナ&ワクチン傷害の症状改善、アルツハイマーやがんにも有効(下)

断食減量に適している?

断食(ファスティング)は、糖尿病などの症状を改善し、体重減少をサポートする可能性があることで知られています。断食中はインスリンレベルが低下し、体が蓄えた脂肪をエネルギーとして利用できるようになります。

断食は、糖質制限ダイエットとよく比較されます。低いインスリンレベルを維持し脂肪の分解を促進するこのアプローチは、炎症に関連する潜在的に有害な内臓脂肪を分解します。

インスリンレベルが低いと、脂肪の分解と体重減少が促進されます。反対に、インスリンが高いと、脂肪の分解よりもエネルギーの貯蔵が優先され、脂肪の使用が制限されます。

腎臓専門医で断食の専門家であるジェイソン・ファン氏は、低体重を維持するには、断食明けに食べ過ぎないことが重要だと述べています。

過剰なカロリーを摂取すると、体は余剰分を脂肪として蓄えるため、体重増加につながる可能性があります。

糖尿病がある場合、断食は適している?

断食は、少なくとも1年間は2型糖尿病の寛解を達成するのに有望であることが示されています。

断続的断食にせよ長期断食にせよ、食事の頻度を減らすため、インスリン放出の減少と血糖値の管理の改善につながります。

また、断食は炎症やインスリン抵抗性に関連する内臓脂肪の分解を促進します。

糖尿病の治療プロトコルには断食が導入されていますが、患者は断食レジメンを開始する前に医師と相談することが重要です。

子供、妊娠中の女性、授乳中の母親は断食を避けることが推奨されています。

断食とアルツハイマー病の治療について

断続的断食は認知機能と記憶力に潜在的な利益があるほか、断続的断食や長期断食中の精神的な明晰さや記憶力の向上を報告する人もいます。

研究では、断食が脳由来の神経栄養因子を増加させることが示されています。このタンパク質は、古いニューロンの生存をサポートし、新しいニューロンとの接続の形成を促進します。

また、断食中のオートファジーが、ニューロンを再生し、タンパク質の破片を除去する可能性があります。

ヒトを対象としたエビデンスは限られていますが、ケトジェニックダイエットが認知機能を改善することを示唆する研究がいくつかあります。断食と同様に、これらの食事療法では、体が主なエネルギー源がグルコースから脂肪とケトンに変わります。

ファン氏は「アルツハイマー病は発症までに数十年かかるため、断食などの短期間の介入に効果があることを示すのは難しい」と述べています。

彼は、『アルツハイマー病の終焉』の著者であるデール・ブレデセン博士について指摘しています。

ブレデセン氏によると、断食を含む自身のプロトコルに従った後に症状が回復した患者もいたといいます。患者は、運動、十分な睡眠、低糖の自然食品や穀物ではなく牧草で育てられた肉を豊富に摂る食事法などとともに、毎日12〜14時間の断食を実施しました。

患者の改善が断食によるものなのか、それとも他の医療介入によるものかは不明です。しかし、糖尿病とインスリン抵抗性は、人々をアルツハイマー病発症リスクにさらす可能性があるため、断食によって糖尿病を改善することがそのような病気の予防に役立つとファン氏は述べました。

断食とがん治療について

断食が発症を抑えるということは、肥満関連の癌にも当てはまります。

ファン氏は「肥満と関連していると一般に認められているがんは約13種類あります。断食はそれを軽減するのに役立つかもしれません」と述べています。

断食はがん細胞を飢えさせる可能性があります。断食中、体は脂肪を使用し、エネルギーとしてケトン体を生成します。がん細胞はグルコースに大きく依存しているため、ケトン代謝において影響が弱まります。

さらに、断食はインスリンレベルを下げます。インスリンレベルの上昇は、乳がん、前立腺がん、および結腸がん、直腸がんのリスク増加と関連しています。

ファン氏は、この理論について「証明されていないが、確かに興味深い仮説」と述べています。

断食前に考慮すべきこと

断食では、空腹感はもちろん、気分の変動などの特定の副作用が生じます。

また、間食や絶えず食べ物を楽しむことが一般化した現代の文化では、断食は飢餓と同等であると見なされます。

しかし、フォン氏であれば、断食には目的があり、食事の時間を割り当てることで一日を管理する方法であると主張するでしょう。

断食の利点は個人によって異なり、好ましい断食の種類も異なります。また、断続的断食は一般に安全であり、長期断食は誰もがうまく反応するわけではありません。

長期断食中、体は主に筋肉ではなく脂肪をエネルギーとして分解します。ただし、脂肪や筋肉がどの程度標的となるかは、個人の身体組成によって異なります。失うべき脂肪が多い人は、脂肪を多く失い筋肉はあまり失わないかもしれませんが、筋肉量が多い人は、貯蔵されたタンパク質が大幅に分解されるかもしれません。

また、いくつかの研究で、個人の脂肪と筋肉の比率に関係なく、長期断食の初日の内に除脂肪筋肉量の減少が起こることが示されました。したがって、筋肉量が多い人は、長期断食中により筋肉が減少し、脂肪があまり減少しない可能性があります。

断食をライフスタイルに組み込むには、断続的断食や数か月おきの長期断食など、さまざまなアプローチがあります。

夕食を共にするといった社会通念が長期断食を妨げる可能性があるため、自分のライフスタイルや好みに合った断食スタイルを選択することが重要です。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。主に新型コロナウイルス感染症や医療・健康に関する記事を担当している。メルボルン大学で生物医学の学士号を取得。