「恨みを持たないで!」それは人を老化させる毒素です(2)

(前稿より続く)
 

怒りで赤くなり、恐怖で青くなる「顔」
 

マイナスの感情は、まず外見に表れるものです。
それは、顔にしわを増やすだけでなく、各種の皮膚病にかかりやすくなることにもつながります。

皮膚は「」とも呼ばれる全身最大の器官です。そのなかには、毛髪、爪、表皮、真皮なども含まれます。怒り、緊張、恐怖などの感情が、顔色を赤くしたり、蒼白にさせたりすることはよく知られていますが、そのほかに、精神的ストレスが発汗やかゆみなどを起こすこともあります。

2020年のイタリアの研究により、「皮膚に病的な症状が出た人は、それに関連する何らかの心理的問題がある」ということが分かりました。

例えば、「人に対する憎しみや嫌悪といった感情は、水虫を招く可能性が高い」と考えられます。怒りの感情は、乾せんやアトピー性皮膚炎との関連性が高いとされます。じんましん、紅斑、ざ瘡(にきび)、白斑がこれに続きます。

 

恨み」は寿命を短くする!
 

さらに、「恨みの感情は寿命を短くする」という看過できない事実もあります。

人のDNAの末端には、DNAの「保護帽」であるテロメア(末端小粒)という重要な構造があります。細胞が分裂するたびにテロメアが少し短くなり、それ以上縮むことができないほど短くなると、その細胞は死んでしまいます。

このテロメアを傷つける行為は、人の老化を早め、さらには寿命の短縮にも影響します。
2012年のある研究によると、「他人に冷淡、あるいは他人に対して敵意を持つ人の場合、細胞のテロメアの長さが著しく短くなっている」ということが分かりました。

他人に冷たく、敵意を持つ人は、細胞のテロメア(端粒)の長さが明らかに短くなっていた。(健康1+1/大紀元)
 

 

また他者へのマイナスの感情と病気との関係については、女性よりも男性のほうが顕著に現れると言います。

2017年の別の研究では、「他人に対する皮肉をよく口にする男性」は心臓病や脳卒中などのリスクがはるかに高く、死亡率も高いことが分かっています。

気持ちのもち方を根本的に変えてこそ、楽観的で、人生を楽しめるようになります。

それは、自身の自律神経を正常に機能させることを意味しますし、何よりも常に笑顔でいることにより、顔の筋肉がよく動いて発達し、皮膚も若々しくなるのです。

(翻訳編集・鳥飼聡)

蘇冠米