(前稿より続く)
耳鳴りの原因が過労であれば、できるだけ休息をとるように努め、夜更かしが原因ならば生活習慣を見直すことで改善できます。
早期治療が肝要です
しかし、何らかの病気が原因で起こる耳鳴りは、その根源となる病気を早期に治療しなければなりません。
漢方医の許騰鴻氏は、「このような耳鳴りは、時間がたつと長期化します。発症の回数が多くなったり、耳鳴りの音がひどくなって、実際の聴覚に支障が出たりするのです」と注意を促します。
許騰鴻氏が実際に治療したある患者は、長年飛行機の整備士をしてきた人でした。
職務上、騒音の環境に長時間いたため、退職してからも耳鳴りが止まなかったと言います。また難聴にもなっており、普通の会話も、つい大声になっていました。
許氏が漢方の処方で治療したところ、患者の耳鳴りは解消され、難聴も改善できたので日常会話を大声ですることもなくなりました。
ただ、「やはり早期治療をするに越したことはない」と許氏は言います。
耳鳴りを改善するには、医療的な手段のほかに、ツボ押しなど日常生活のなかでできるセルフケアもあります。以下、ご紹介しましょう。
1、耳鳴り緩和のツボ押し
耳鳴りの緩和のため、手と耳の穴(ツボ)をマッサージします。
押すツボは、合谷(ごうこく)、翳風(えいふう)、耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、聴会(ちょうかい)です。
老化や疲労を原因とする耳鳴りは、以下のツボ押しで腎水を補い、血気を補います。
押すツボは、足三里(あしさんり)、太溪(たいけい)、復溜(ふくりゅう)、気海(きかい)、
関元(かんげん)です。
2、睡眠の改善
午後11時から午前3時までは、肝経および胆経が循行する時間であり、これは人体に重要な「修復の時間帯」です。
したがって、勤務などの条件が許せば、人は午後11時前に就寝したほうが良いのです。
睡眠時間も7~8時間を確保できれば、耳鳴りの緩和と、疲労および睡眠障害の改善に有効です。これは体の各器官の老化を緩やかにするという意味でも、望ましいことです。
3、適度な運動
適度な運動習慣をもつことは、ストレスを発散できるだけでなく、全身の循環を促進して耳鳴りを緩和します。
そのほか、良質の睡眠をとるためにカフェインの入った飲料は控え、飲酒や喫煙などの刺激物も避けましょう。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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