古代都市チチェン・イッツァ(Chichen Itza)のピラミッド
ユカタン半島にあるマヤ文明の遺跡・古代都市チチェン・イッツァの中心的な建物は、熱帯雨林に囲まれた空き地にそびえたつ階段式ピラミッド――ククルカンの神殿(Kukulkan)であります。
ククルカン(「羽毛をもつ蛇」)を祭るために11-13世紀頃に建てられ、チチェン・イッツァ遺跡内で最大の建築物であり、高さ24mあります。基壇は正方形で、底辺は55.5m、全部で9層あり、ピラミッドのように上に行けば行くほど狭まっていき、頂上には高さ6mの小さい神殿があります。
ピラミッドの側面は傾斜角度45度の階段に覆われ、4つの側面とも91段、合わせて364段あり、それぞれ正確に東西南北を向いています。頂上の神殿も1段として数えるなら、ちょうど365段と、ハアブ暦(マヤ暦)を表しています。これらの設計は明らかに精密に計算されたもので、天文学上の意義を持っていることが予測されます。
ククルカンの降臨
頂上にある小さな神殿内には多くの精巧な彫刻が施され、マヤの人々はこれらの彫刻をもとに、春分の日、秋分の日、冬至、夏至の日を判断していたと思われます。
頂上に通じる階段の両側の下には高さ1.43m、長さ1.8m、幅1.07mの「羽毛をもつ蛇」の頭があり、その口の中から1.6mの舌を伸ばしています。
毎年の春分の日と秋分の日には、太陽が沈む頃、北階段の下の蛇の頭像と9層のピラミッドの影が合体し, 巨大なククルカンの姿が現れます。この現象は3時間22分続き、「ククルカンの降臨」と呼ばれています。
1年でこの2日間しか見られないため、現地では一大イベントが開催されます。
ククルカンの神殿は、この神秘的な「ククルカンの降臨」の他にも、もう一つの謎があります。主階段の前に立って拍手をすると、頂上にいる人は鷲の鳴き声のような音が聞こえてくるのです。おそらくマヤの人々は、このような方法を通じて、地上に住む人類は天上にいる神々とコミュニケーションすることができると考えていたのでしょう。
(つづく)
――正見ネットより転載
(作者・意文/翻訳編集・天野秀)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。