東アフリカのケニア保護区で、写真撮影をしていた野生動物写真家は、ヒョウの親子の心温まる交流を目にしました。一頭の幼いヒョウが、絶えず母親のヒョウの睡眠を邪魔し続け、母親のヒョウはついに眠る事ができず、諦めた表情を見せ、その表情が面白いと話題になりました。
動物写真家のレイトン・ラムさん(32歳)は、マサイマラ国立保護区で写真撮影をしていたとき、ジャングルの中で子供と一緒に昼寝をしているメスのヒョウに遭遇しました。ところが、突然大雨が降り出して、それに驚いた子供のヒョウが目を覚ましてしまいました。
子供のヒョウはまだジャングルでの経験が浅く、彼の眠りは、突然の雨で簡単に覚めてしまったようです。心地よい昼寝の邪魔をされたので、幼いヒョウは少しご機嫌ななめになってしまいました。そこで、彼は体を捻ったり、小さな手のひらで母親のヒョウを叩いたり、どうにかして隣で熟睡している母親のヒョウを起こそうとしはじめました。
Caters News Agencyの取材に応じたラムさんは、目を覚ました子供のヒョウは、とてもいたずら好きで好奇心が旺盛で、木に登ったかと思えば、降りてきて母親の睡眠を邪魔したりと、その様子はとても面白い光景だったと語りました。
寝ぼけ眼の母親は、再び子供のヒョウを寝かしつけようと腕の中に抱き入れましたが、子供のヒョウはすっかり目が覚めてしまったようで、母親に「起きて遊んで!」と何度もせがんでいました。絶対諦めない子供のヒョウの頑固さに、母親は耐えきれず、子供のヒョウを押しのけたりしましたがそれも無駄と分かり、とうとう諦めた表情をみせ、まるで「誰か助けて、もう少し寝ていたいの!」と言っているかのようでした。
ラムさんは「新型コロナウイルスの流行の影響で、車の数や公園を訪れる人の数が大幅に減少し、観光産業への影響はありますが、写真家にとっては良いアングルを見つけやすくなるいい機会でした」と述べました。
やがて子供のヒョウは、スタッフの車に興味を持ち、車の周囲を歩き回りはじめました。後ろには、仕方なく起きてきた母親のヒョウもついてきました。ヒョウの親子は、車からわずか15mのところに1時間ほどいたので、ラムさんたちは、至近距離で写真撮影を行う事ができました。通常、ジャングルでヒョウに遭遇することは難しく、親子のヒョウに出会うのはさらに稀なことなので、とても貴重な機会だったとラムさんは語りました。
「私は、ヒョウの親子の微笑ましいやり取りを見ることがとても好きです。それにこのような場面は非常に貴重です。こんなに至近距離で、ヒョウを観察できることはそうありません」と彼女は付け加えました。
人間の母親たちも、このような場面には共感できる点が多々あるようで、母親のヒョウの窮地に理解と同情を示しました。 多くのネットユーザーからは、「母親のヒョウの表情が主婦のようだ」、「母親のヒョウは私の子だ、私が産んだのだから、誰も責められないと思っているみたい」「母親のヒョウの表情がすべてを物語っている」「猛獣にも天敵がいるんだな!自分の子供には誰もかなわない」といったコメントが寄せられていました。
(翻訳・井田)
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