海岸で溺れた母子 救出した少年の姿がドローンで空撮

7月初め、米ノースカロライナ州のビーチで泳いでいた母子が溺れていたのを、18歳の少年が身を挺して助けました。この海上の迫力あるシーンが、思いがけずドローンで空中撮影されていました。

メディアの報道によると、オハイオ州ストウ出身で高校を卒業したばかりの18歳のトラビス・シュロット(Travis Shrout)さんは、7月3日、ノースカロライナ州のトップセイル・ビーチで家族と過ごす最後の日を迎えていました。

「アドレナリンが一気に出て(血圧が上がり、心拍数も上がった)、本当にエキサイティングな体験でした」と、そのシュロットさんは後に語りました。

彼は海岸から約50ヤード(46メートル)離れたところで泳いでいた時、女性と男の子が溺れているのに気づきました。 それは10歳の男の子を連れた母親でした。

彼は「助けて」という声が聞こえ、「大丈夫ですか」と母親に声をかけましたが。彼女は「いや」と答えました。そこで彼はすぐに親子に向かって泳ぎました。声をかけた時、子供はまだ母親のそばにいましたが、彼が母親のもとに泳いできた時、もう子供は流されて約15フィート(4〜5メートル)離れてしまいました。

少年はすぐに自分のサーフボードを母親に渡すと、素早く力強く男の子に向かって泳いでいきました。

「子どもは海面を浮いたり沈んだりしていた。おそらく4、5回は沈んでいただろう」とシュロットは回想します。

子供に近づくと「体を後ろに寄りかかって」と言って下から支えました。シュロットさんは、YMCAという青年団でライフガードの訓練を受けており、溺れている人を助ける方法を知っていたのです。 当時、ビーチにはライフガードがいませんでした。

彼が男の子を抱きかかえて泳ぎ、男の子の母親もシュロットからもらったサーフボードに乗って泳いできました。しかし、状況はよくありませんでした。

シュロットさんは身を挺してこの母子を助ける前に、海で1時間か2時間遊んで、体が疲れていました。しかもその日はいつもより波が激しくなっていました。

「いくつかの波が私たちの頭上を越え、どれだけの波があるのかわからなかった」「波が私たちを完全に圧倒していた。だから、ちょっと怖かった」と彼はFOXニュースに語りました。

偶然にも、その日、シュロット家の友人であるサド・アンケファー(Thad Unkefer)さんが海岸でドローンの追跡テストをしていて、まさに「母子が海で溺れ、少年が身を挺して助ける」シーンが空撮されていました。

結局、三人はサーフボードの浮力を借りて、しだいに岸に近づいていきました。その時、アンドリュー・レナード(Andrew Leonard)さんという青年が、もう一つのサーフボードを渡し、疲れ果てたシュロットさんの手を取って、彼らを岸に引き上げました。

「アンドリューのおかげで、彼らを岸に引き上げることができた。彼の助けがなかったら、私自身が彼らを岸に引き上げることができたかどうかわからなかった」と彼はクリーブランド19ニュース(Cleveland 19 News)にこう語りました。
陸に上がった母子は、涙を流して抱き合っていました。

シュロットさんは、英雄と呼ばれることに照れていました。

「僕は自分が英雄だとは思わない。神様は僕を適切な時に適切な場所に置いてくださる。この状況では誰もが同じことをすると思うよ」と彼は言っていました。

この救出された母子とは一度も会ったことがなかったシュロットさんでしたが、今では助けた親子の家と連絡を取り合っているようです。

(翻訳 源正悟)