デジタルカメラも画素数も32億

米エネルギー省傘下のSLAC国立加速器研究所は、単一ショットでは世界初となる32億画素のデジタル写真撮影に成功しました。

一つのピクセルは非常に小さく、約10ミクロンしかありません。 このカメラの焦点面は非常に平たく、高低差を人間の髪の太さの10分の1以下に留めることで、高解像度の写真を撮影することができます。

一般的なカメラの焦点面が直径3.5cmであるのに対し、このカメラは焦点面の直径が約61cm、189個のセンサーで構成され、 一つのセンサーで1,600万画素を撮影し、肉眼の1億倍の明るさの天体を見ることができます。 その鮮明さは、24km先のゴルフボールを見るのと同じです。

24km先のゴルフボールが見える高精細画像。 (Greg Stewart/SLAC National Accelerator Laboratory)

この32億画素の写真をすべて表示するには、4K HDテレビ378台分の画面が必要です。

SLACのスティーブン・カーン氏(Steven Kahn)は、「これはルービン天文台プロジェクトの歴史の中で最も重要な成果の一つです。カメラの焦点面が完成し、テストに成功したことは、カメラチームにとって大きな勝利であり、ルービン天文台での今後10年間の天体観測の基盤となるものです」と述べています。

次にカメラチームは、夜空をさまざまな色で観察するために、フォーカルプレーンとボディ、レンズ、シャッター、フィルターのシステムとの統合に着手しました。 また、レンズも非常に大きく、直径1.57メートルの主鏡、1.2メートルの第二鏡、72センチの第三鏡を使用します。

研究者たちは、最終的な組み立てはSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)サイズになると予想しており、最終段階のテストは2021年半ばに開始される予定です。

このカメラは、チリのヴェラC.ルービン天文台(Vera C. Rubin Observatory)に設置されます。設置後は、南天のパノラマ画像の撮影を開始します。 今後10年間、数日おきに南天のパノラマ画像を撮影することで、約200億個の星系の写真が出来上がります。 研究者たちは、このデータが暗黒物質や暗黒エネルギーのモデルを検証するのに役立つと言っています。

編集責任者:葉紫微  翻訳編集 里見