本当に素晴らしい作品は人々を感動させるパワーを持っています。年齢層を問わず人々に愛されてきたこの『ライオン・キング』は、面白さとドキドキだけでなく、我々に人生の意義をも教えてくれました。
自然界の決まり
Everything you see exists together in a delicate balance. As king, you need to understand that balance.——Mufasa
(自然界のすべての生物は微妙な均衡を保っている。王として、その均衡を理解し、全ての生命を尊重しなければならない――ムファサ)
「均衡」のもう一つの理念は、生命の輪廻です。獅子は羊の天敵ですが、しかし、獅子の死後、死体が大地に溶け込み、草の栄養分となって羊の食料となります。すべての生命は運命の軌跡の中で、他の生命とつながりをもっており、永遠に循環しています。我々が今享受しているものは、いつの日か再び返ってきます。しかし、相手から要求することしかしない利己的な者は、自然の均衡を壊したことで、いつかその罰を受けなければなりません。
勇敢とは
Being brave doesn‘t mean you go looking for trouble.—— Mufasa
(勇敢とはトラブルを探し回ることではない――ムファサ)
シンバは「僕たちはずっと一緒にいられるよね?」と質問しました。ムファサは自分の父親の言葉を借りて、この誰もが逃れられない質問に答えました。
「これまでの王はみんな星になる。寂しくなった時、空を見上げてみよ、王たちがお前を導いてくれる。このような痛みを知り、孤独を知り、時には厳しく、時には優しく、弱点もあり、困難に立ち向かう勇気もある王こそ、立派な男だ」
使命と責任
You must take your place in the circle of life. You must remember who you are, the one true king.——Mufasa
(生命の循環の中で自分の立ち位置を見つけなければならない。自分が誰であるかを覚え、唯一無二の真の王になるのだ――ムファサ)
ムファサが亡くなった後、悔いと悲しみにより、シンバは自分自身を疑い、全てを捨てて現実から逃げました。これにより、シンバはもう「シンバ」ではなくなったのです。
一人ひとりの成長過程のように、幼い頃は早く大人になりたいが、いざ、大人になると、厳しい現実を直視したくなくなるのです。
ラフィキの助けにより、シンバは再び父親に会えました。正確に言えば、ムファサがシンバの心の中に埋めた信念の種が芽生え、シンバを目覚めさせたのです。
「自分が誰であるかを忘れるな」ムファサの英霊が絶えずこの言葉を繰り返しました。
生命は永遠に循環していき、誰も一人では生きていけません。同じく、誰も運命に与えられた責任から逃れられないのです。なぜなら、それこそ生命の意義であり、「自分が誰であるか」の答えだからです。
(翻訳 天野秀)
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