3)進化論を注入した報い
中共が進化論を注入した目的と無神論を普及した目的は同じものだ。進化論の観点からすると、人は自然界で勝手にできたものであり、人の誕生にも存在にも何の目的もない。このようにして、神に対する一切の信仰は「虚無にして根拠のないもの」となった。
そのうえ、人は進化した猿だということになり、その他の動物と本質的に変わらぬものとなった。動物と植物、生物と無生物の間にも越えてはならない限界がなくなった。それゆえ、エンゲルスの観点によると、生命はただ「タンパク質の一種の存在形式」にしかすぎない。
この観点に立つと、中国の伝統文化にある生命に対する尊重は、必要のない「迷信」となる。確かに進化論の観点で見る時、木を切ることと犬を殺すこと、猿を殺すことと人を殺すことは、程度の差こそあれ本質的な違いはなく、いずれも一種のタンパク質の存在形式を変えたに過ぎない。
2003年3月、SARSが香港に蔓延し、香港の各メディアは、その状況を相次いで報道した。博鰲論壇秘書長で、中共の対外貿易部副部長の竜永図はこれに対して、「香港の新聞は、10日、20日、30日も連続して、1面で肺炎のことを報道しているんだから、香港に来る人なんているはずがない。」「もし600万人のうち、50万人がこの病気にかかったら一大事だが、現状では300人しかいないのに、これほどの報道をするのは問題だ」と言った。
生命を完全に見下す態度は、中共の高級官僚に普通に見られるだけでなく、一般庶民もその弊害を受けた結果、同様となった。中共政権の樹立後、様々な政治運動で死亡した中国人の数は約8千万人にのぼる。しかし中国人の多くは、このような歴史的事実が分かっても、亡くなった生命はただの数字に過ぎないと思っている。生命を見下すこのような態度は、中共が注入した進化論と無関係ではない。
中共が進化論を注入し続けた結果として、人々は「適者生存、弱肉強食」を当たり前で、当然の法則であると思うようになった。このようにして、「国家」「民族」という美しいスローガンの下、弱者に対する掠奪が正当化された。いわゆる「発展」と「安定」のためには犠牲を避けることができないというものだ。
何院士の「不幸にも、中国で生まれるからいけないのだ」という暴言(※)や、6・4民主化運動の際の_deng_小平の「20万人殺害して、20年間の安定をはかろう」という掛け声がこれだ。
このような法則が社会で普遍的に受け入れられる時、人心は社会の正義に対する希望を失い、それに伴って、社会的な道徳水準が全般的に墜落していくことになるのである。

(※)何院士=中国科学院物理研究所の何祚庥院士。2005年末にメディアの取材を受け、中国で炭坑事故がよく起こる問題について言及した際、「不幸にも、中国で生まれるからいけないのだ」「中国が発展しようとするなら、このくらいの対価は避けることができない」と発言した。
(続く)
【党文化の解体】第2章(1)
【党文化の解体】第2章(2) 「孔子を批判する」
【党文化の解体】第2章(3) 「知識人を批判する」
【党文化の解体】第2章(4) 「神佛の存在を否定する」
【党文化の解体】第2章(5) 「修行の物質環境を破壊する」
【党文化の解体】第2章(6) 「宗教を世俗化する」
【党文化の解体】第2章(7)「内部から宗教を批判する」
【党文化の解体】第2章(8)「宗教自由の虚像を作り上げる」
【党文化の解体】第2章(9)「天に対する畏敬を批判する」
【党文化の解体】第2章(10)「柔順さと忍耐を批判する」
【党文化の解体】第2章(11)「財産をもって道徳を量る重要な根拠とする」
【党文化の解体】第2章(12)「闘争思想の邪説を注入」
【党文化の解体】第2章(13)「中共が闘争思想を注入する目的」
【党文化の解体】第2章(14)「政治闘争の中での洗脳教育」
【党文化の解体】第2章(15)「調和と共存に回帰する道」
【党文化の解体】第2章(16)「進化論の注入は、無神論と闘争哲学の普及のため」
【党文化の解体】第2章(17)「進化論の脆弱な論理的基礎」
【党文化の解体】第2章(18)「進化論は確率的にありえない」
【党文化の解体】第2章(19)「進化論の局限性」
【党文化の解体】第2章(20)「進化論を注入した報い」
【党文化の解体】第2章 (21) 「現代科学の宣揚は、信仰の自由を抑圧するため」
【党文化の解体】第2章(22)「科学を無視し、マルクス主義を信奉」
【党文化の解体】第2章(23)「神に対する信仰は、科学研究の妨げにはならない」
【党文化の解体】第2章(24)「実証科学は宇宙の法則を探求する唯一の方式ではない」
【党文化の解体】第2章(25)「実証科学の限界性」
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