中国古来の気功修煉法「法輪功」は90年代、中国で普及して以来、さまざまな病気が回復した事例が報告され、数年間で学習者が1億人に達するなど爆発的人気を呼んだ。法輪功の主要書籍「転法輪」には病気治療を目的とした記述はないが、その治療効果は当時の中国政府も認めざるを得ないものだった。日本においても少なくない愛好者がその治療効果により人生を好転させている。その体験を紹介したい。
2009年の9月、突然、ひどい目眩と吐き気を感じ、立つこともままならなくなった森原さん。病院に行ってみると医者からはメニエール病(いまだに原因がはっきり解明されていない)の診断を受けた。「地獄のような日々でした」と森原さんは当時をふりかえった。
毎日、目にするもの全てが揺れ動き、ベッドとトイレを行き来するだけのつらい日々が続いた。しばらくすると睡眠薬を飲まなければ眠れなくなり、薬の量がどんどん増え、3カ月経ったときには病院の先生に少し薬をやめるようにと言われてもやめられなくなっていた。
通院しても病気の回復はかんばしくなく、何事もやる気を失い、考えることはマイナスな事ばかりで、人との接触も避け、次第にうつ状態になっていった。その頃、友人に度々「死にたい」ともらしていた。
絶望感の中、ある日、友人から気功をすすめられた。テレビなどで中国人に対して良い印象を持っていなかったが、近くの中華料理店の2階で気功を教えているのがわかり、わらをもつかむ気持ちで行ってみた。
気功を教えている店の女性に「病気を治してくだい」と言うと「他人が治すものではなく、自分で心と身体を健康にするものですよ」と言われた。森原さんはふらふらしながらも1時間という気功の動作を何とか最後までやり切ることができた。その夜は、不思議なことに、睡眠薬を飲まなくても朝まで目が覚めず、ぐっすり寝ることができた。この事は森原さんにとって本当に嬉しい出来事だったという。
その日から煉功を行う場所に通い、「転法輪」を読んで、心身の状態を少しずつ整え、修煉していくうちに、徐々に身体の調子がよくなり、だんだんと眠れるようになり、ストレスもなくなり、鬱も解消された。やめたくてもやめられなかった薬もやめることができた。
森原さんはもともと短気な性格で、夫から何か言われると癇しゃくを起こしていたが、相手の立場を考えられるようになり、今では以前より穏やかに過ごせるようになってきたという。
「法輪功に出会って地獄のような生活、絶望の中からの幸せを取り戻せたことに本当に感謝している」
(大道修)
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