アンドレア・ルーセルは産まれた時こそ髪が生えていましたが、2年もたたないうちに徐々に髪が少なくなっていき、4歳になるころには全く髪が無くなってしまいました。彼女は自己免疫が原因による治療不可の脱毛症と診断されました。
アンドレアはCBNに当時の様子をこう語っています。
「髪の毛が無かった時のことは今でも覚えています」
彼女が最初に手にしたウィッグはテープで固定するタイプのものでした。出来のよいものではなく、偽物とわかるような見た目だったそうです。それからしばらくして彼女の両親はオーダーメイドでウィッグを作成している会社をみつけました。そこでアンドレアが購入したウィッグは高級品でしたが美しいものでした。
「私の思い込みかもしれませんが周りの人は私がウィッグを付けていると気づいていないようでしたし、私も本当の髪のように感じていました。頭を下げて挨拶も出来ましたし、三つ編みをしたりして楽しんだりしていました。ウィッグは私にとってみんなが靴を履くことと同じような感覚でした。」
アンドレアは髪が無いこと全く気にしていませんでした。
アンドレアが学校でホッケーをしている時、彼女はウィッグではなくバンダナを被ることにしました。それが彼女の人生の転機となったのです。ある日、彼女がジムを歩いていると学校の管理人であるグレッグから声を掛けられました。彼は抗がん剤による副作用でアンドレアの髪が無いと勘違いしていたようです。
アンドレアが
「この20年間癌になったことはありません。脱毛症なだけなのであまり気にしていません。」
というとグレッグは
「髪は大切なものですよ。もしよければお祈りをしてもいいですか?」
と聞かれた為、アンドレアがそれを承諾するとグレッグは彼女に手をあてながらこう続けました。
「彼女によいことが起こりますように。」
アンドレアは当時の様子をこう語っています。
「その時、彼は手袋を取っていました。それまで誰も私の髪の為に祈ってくれた人はいなかったので鮮明に覚えています。」
その出会いからしばらくしたある日、彼女のチームメイトは彼女にまつ毛が生えていることに気づきました。驚くべきことに、それから髪が生えだしたのです。
「10月の終わりからはまるで赤ちゃんが出来たかのように時間が慌ただしく過ぎていきました。産毛が生えてどんどん髪が増えていきました。それからグレッグに会いに行くと彼もとても喜んでくれました。」
「20年間無かった髪が戻ってきたことは、私にとても大きな影響を与えました。」
現在、ルイビルにあるクリスチャン高校で監督をしている彼女は生涯その出来事をずっと忘れないでしょう。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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