香港の新聞でこんな記事を読んだ。日本人の夫を持つ香港の女性が、子供を連れて香港ディズニーランドへやってきた時のエピソードである。
その家族は、アトラクションを待つ長い列に並んでいた。するとその時、後ろの列にいた中国人観光客が彼女を押してくるというハプニングが起きた。彼女は振り返ると、観光客らをけん制し、大声で叱責した。
その日、日本人の夫は、人前で怒鳴りだした妻に対して機嫌が悪かったという。「もし他の人が割り込もうとするなら、させればいい。我々が無礼になる必要はないよ」と日本人の夫。
しかし、香港人の妻は、夫の考えに納得できなかった。彼女にとって、自分と子供の権利を守ることが重要であり、ルールを守らない人を叱責するのは当然のことなのだ。この場合、日本人の夫と香港の妻、どちらが正しいのだろう?最初、私は妻の言い分が正しいと思った。しかし、その後、ふと論語の言葉を思い出し、やはり日本人の夫に軍配が上がると考えなおした。「見賢思齊焉、見不賢而内自省也」。子曰く、「すぐれた人を見たら、(自分も)それと同じようになろうと思い、つまらない人を見たら、(自分にも、それと同じような悪い点はないかと)心に反省すべきである」
古代中国人の道徳基準は非常に高く、今のそれとは全く異なっていた。それを忘れてはいけない、と自分にも言い聞かせる。心の広い日本人の夫に、改めて感心したエピソードだった。
(エポックタイムス香港記者・ Damian Robin/翻訳編集・郭丹丹)
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