『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』という番組をご存知でしょうか?セレブリティが勝ち抜きダンス勝負を行うアメリカのリアリティ番組です。この番組に右腕右足だけの元軍人ダンサーが現れ、アメリカを熱狂の渦に巻き込みました。
その元軍人の名はノア・ギャロウェイ。
ノアはアメリカ同時多発テロ後に米軍に入隊、イラク戦争を2度戦いました。しかしその2度目の派遣の際、装甲車ごと爆発に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまいます。
すぐにアメリカ本土の病院に移送されたノアは、6日間生死をさまよいました。目を覚ました彼に突き付けられたのは、左腕左足を失ったという衝撃の事実でしたが、ノアでしたが平然を装い、本当の気持ちを誰にも明かしませんでした。
3児の父でもあった彼は我が子のためにと自分を奮起させ退院を迎えますが、待ち構えていたのは「昔出来た事が何一つ出来ない」という厳しい現実でした。
もはや自分には家族を守る事さえ出来ない、何て無意味な存在なんだ、絶望に陥ったノアは家にこもり酒浸りの日々を送るようになります。
そんな中、彼の人生を引っくり返す事件が起きました。
ノアは飲酒運転で逮捕され、刑務所に1週間も収容されてしまったのです。これを機にノアは目を覚まし、釈放後、鏡に映っただらしない自分の体を前にこう決心しました。
ノアは懸命なトレーニングを開始、日に日に健康な体を取り戻し、雑誌の表紙を飾るまでになりました。
そして『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』への出演も決まります。ダンス初心者で片腕片足しかないノアにとってダンスはまさに挑戦でしたが、不屈の精神でダンスパートナーと猛特訓を繰り返しました。
その努力が番組で旋風を巻き起こし、ノアとパートナーの感動的なダンスに審査員・観客は拍手大喝采、3位まで勝ち残る快挙を成し遂げました。
ノアのこの「不屈の精神」は多くの人に感動と勇気を与えました。そして彼は本も執筆し、隠すことなく自分の本音を綴りました。
「俺は怪我をする運命にあったんだよ。そうじゃないと今の自分になっていないからね」と言うノア。
彼の本のタイトル「No Excuses(言い訳なし)」が示すように、幾多の試練を乗り越え言い訳なしに努力を続けてきた彼の強さに、心から拍手を送りたいです。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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