それはクリスマスの2日後の出来事だった。米オクラホマ州に住むフローラ一家は2歳のブリアナちゃんと一緒に祖父母の家で楽しい時間を過ごしていた。
数時間後、少女は病院に担ぎ込まれるとすぐに死亡が確認された。検査の結果、少女の体内からはボタン型電池が発見された。
ブリアナちゃんは数日間、体調を崩しており、微熱や嘔吐などの症状があった。その日、吐血して真っ青になった彼女の様子に異変を感じた両親は、急いで救急車を呼んだ。
祖父のケント・バイス氏は、「ひどい吐血でした。それからすぐ彼女を病院に連れて行ったんです」と振り返った。事態を重く見た医師らはすぐにブリアナちゃんをオクラホマ州東部タルサ市のセント・フランシス病院に搬送した。
ひどく弱まった彼女は2時間半の大手術を乗り切ったが、出血が止まることはなかった。「電池は食道を通じて頸動脈に食い込んでいたんです」とバイス氏は語った。
医師らによれば、原因となったボタン型電池はブリアナちゃんが6日以内に飲み込んだものという。家族には思い当たる節はまったくなかった。
2-year-old girl tragically dies from eating a battery smaller than a dime https://t.co/lC2i19wS0h pic.twitter.com/VXGXawBRHw
— Daily Mail US (@DailyMail) 2016年1月1日
近年アメリカでは電池やおもちゃ、コインなどの誤飲で集中治療室に入院する児童数が増加している。リモコンや車の鍵などボタン型電池を使用する製品の増加が理由として挙げられている。
しかし、なぜボタン型電池はそれほど危険なのだろうか。
中毒事故管理センターのランディ・バディロ氏によれば、通常飲み込まれた電池は問題なく消化器官を通過するという。「しかし、もし電池が食道や消化器官に滞留すれば、電池からアルカリ性物質が溶け出し、腐食や炎症の原因となることもある」とバディロ氏は強調した。
CPR Kidsの創設者、サラ・ハンステッド氏が共有した一連の写真が、電池誤飲の危険性を物語っている。彼女は鶏肉をボタン型電池に置き、30分後と4時間後の様子を写真に収めた。結果はとても恐ろしいものだった。
「家庭からボタン型電池を排除してほしい」とブリアナの祖父は切に願う。
Safe Kids Worldwideのモラグ・マッカイ氏は次のように推奨する。「床に伏せて子どもたちの目の高さで家の中を見てみてください。そして電池やコイン、アクセサリーなどの小さな製品を子どもたちの目に止まらない、手の届かないところに置いてください。」
フローラ一家の悲しみが癒えることはないだろう。しかし彼らがこの出来事を広く共有し警鐘を鳴らしてくれたおかげで、多くの子どもたちを同様の悲劇から救うことができたのだ。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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