ニューヨーク-口唇口蓋裂の子どもたちは、それをからかわれ、ばかにされ、敬遠されることがよくあります。今回紹介する歯科矯正医もいじめを経験しましたが、助けが必要な子どもたちのために祖国に戻り活動をしています。
バングラデシュ出身の歯科医師、シェンジュティ・チャウドリーさんはダイアモンドブレース歯科に勤め、歯科矯正医として受賞しました。彼女自身も生まれたとき口唇口蓋裂で、とても尊敬する歯科矯正医に助けられました。
口唇口蓋裂は出生時欠損としては一般的ですが、チャウドリーさんの故郷バングラデシュでは、30万人の口唇口蓋裂の子どもたちが治療を受けられずにいます。
アメリカへ
チャウドリーさんはバングラデシュの幼少期、口唇口蓋裂であるということでいじめにあいました。この経験から、故郷の患者を助けようと思いました。
チャウドリーさんは、口唇口蓋裂のせいで友達が誰も遊んでくれず、学校から泣いて帰っていた日々を鮮明に覚えているといいます。
出生時、彼女は口蓋の部分的な手術を受けましたが失敗しました。しかし、2002年、彼女が16歳の時、アメリカに渡り包括的な治療を受けることができました。さらに、アメリカではひどいいじめを受けなかったのです。20歳になるまでに、治療が終わりました。
「人生が変わったわ。違う人間になったみたい。自信があふれだし、たくさんの逆境を乗り越えられたことで強い人間になれた。幼少期は簡単ではなかったから」チャウドリーさんは昔のつらかった頃のことを教えてくれました。
海外での治療
コロンビア大学で勉強している時、「スマイル・バングラデシュ」と呼ばれるバングラデシュの口唇口蓋裂の子どもたちを治療するプログラムがあることを知りました。
「バングラデシュで口唇口蓋裂のきちんとした治療を受けるのがどれだけ難しいかを知っている私にとって、これは使命だと思ったわ」とチャウドリーさん。
患者は、スマイル・バングラデシュ・プログラムがなければ口唇口蓋裂の治療を受けられない子どもたちばかりです。今はバングラデシュには適切な治療があるとしても、その治療費を払うことができない子が多くいるのです。
口唇口蓋裂だった彼女は患者に共感できる上、患者の言葉を直接読んだり話すことができるのです。
2012年3月、チャウドリーさんは初めてスマイル・バングラデシュ・プログラムのボランティアに参加し、それから合計4回、ボランティアとしてバングラデシュを訪れました。
笑顔を広める
バングラデシュでチャウドリーさんは、医師と患者やその家族の通訳をし、手術に携わり、患者の回復も手伝いました。
患者たちはチャウドリーさんの幼少期と同じようにいじめられて苦しんでいました。彼女は、自分も口唇口蓋裂だったけれど、とてもきれいに治っていることを患者たちに見せて勇気づけました。
奇形な子を産んだことで、母親が非難されたり、家族が嫌がらせを受けることもあります。
「多くの場合、口唇口蓋裂の人たちは傷つき、自信をなくし、たくさんのいじめにあって、自分の人生ではたくさんのことができないと思っています」とチャウドリーさん。
チャウドリーさんは、そんな患者や家族に、口唇口蓋裂は単純な欠損で、治療して治すことができるし、他の子と同じように賢く、様々なことに挑戦できるんですよ、と伝えています。
特に印象的だったのは、口唇口蓋裂のために結婚できなかった男性患者でした。彼は口唇口蓋裂の手術が成功し、のちに結婚しました。
「いつも、口唇口蓋裂の人たちを勇気づけ、自信を持たせ、希望を与えているの」。チャウドリーさんは、どんな人を治療する時も「あなたは他の人に何も劣らない人間なのよ」と伝え続けています。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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