老菜子(ろうらいし)は、春秋時代の楚国の隠居人で、世の戦乱を避けるため、蒙山の南麓で自ら耕す生活を送っていた。彼は両親に孝順で、おいしいものを選りすぐっては両親に食べさせた。70歳になっても、常に五色の鮮やかな衣をまとい、手には電電太鼓のようなものを持って子どものごとくたわむれ、両親を楽しませていた。
あるとき、両親にお茶を運ぼうと部屋に入ったとき、つまずいて転んでしまった。彼は、両親が、子どもがとうとう年老いてしまったと悲しむのではないかと心配し、床に横たわったまま子どものように大泣きして、両親を大笑いさせた。
「孝」は儒家の倫理思想の核心であり、長い間中国社会で家庭関係を維持するための道徳基準であった。それは、中華民族の伝統的な美徳であり、中国伝統文化の精髄でもある。
元の郭居敬は、中国古代の孝行が特に優れた24人の故事を集め、「二十四孝」を編集した。後に絵が配され、「二十四孝図」として孝行の道を広めるための通俗読み物となった。
(翻訳・太源)
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