ギネス最高齢

ホロコースト生還者 113歳の男性死去

8月11日、113歳で世界最高齢の男性とギネスブックに登録されているイスラエル・クリスタルさん(Yisrael Kristal)が亡くなった。惜しくも、記録を1歳更新する誕生日をむかえる、ちょうど1カ月前だった。クリスタルさんは、アウシュビッツ収容所からの生還者としても知られていた。

クリスタルさんは1903年、ポーランドでユダヤ人の家庭に生まれた。39年にナチス・ドイツが侵攻してくるまで製菓工場で働いていたが、ユダヤ人迫害政策で、2人の子供と妻を亡くした。彼自身も悪名高いアウシュビッツ収容所に送られ、解放された時の体重は37キロしかなかった。その後、再婚してイスラエルに移住し、菓子店を経営。子供2人、孫9人、ひ孫30人に恵まれた。

ギネス最高齢と認定されたのは昨年3月。クリスタルさんは「長寿の秘訣と聞かれても、私には分かりません。すべては天が決めていて、私たちはその理由を知るすべもありません」と話し、「私たちにできることは、できる限り一生懸命に働いて、失ったものを再び立て直すことでしょう」と語っている。

クリスタルさんの娘シューラ・クパストックさん(Shula Kuperstoch)によると、父親は「過去に経験した苦難について、憤る人ではなかった」という。「彼は、自分が神に生かされたのだと信じ、代償を求めることもなかった」とエルサレム・ポストに語っている。

(翻訳編集・郭丹丹)