フィリピンの首都マニラに住むヘルナンド・グアンラオさんは、会計士の仕事を定年退職した後、何か人の役にたつことをしたいと考えた。そこで、貧困で学校に通えない子供たちのために、自宅で無償で本を借りられる図書館を16年前にオープンした。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。
もともと、かなりの読書家だったグアンラオさん。自宅図書館を開いたもう一つの理由は、読書の楽しさを教えてくれた、すでに他界した両親を記念するためだったと言う。
本にも命が宿ると信じるグアンラオさんは、図書館のオープンで「本が、人に読んでもらえる嬉しさを感じているはず」「本は常に、人に読まれるべきだ」と話している。
2000年にオープンした当初は子供向けの本が少なかったため、子供たちがすぐには借りられない状態が続いた。しかし、その後グアンラオさんが自ら本を集め、蔵書数をふやしていった。彼の活動を知った多くの市民が、本を寄付するようになったという。
マニラには図書館が50か所ほどあるが、有料で規則も厳しく、すべての人が利用できると限らない。グアンラオさんの図書館は無料で、借りられる冊数や返却期限などの細かなルールがない。「ここの唯一のルールは、ルールがないこと」とグアンラオさんは話す。
家が貧しく、普段学校に通えない子供にとって、グアンラオさんの図書館は知識の宝庫。ゴミ拾いで家の家計を助けている少女のモンサント(Stella Monsanto)ちゃんは、暇さえあればこの図書館に来ると話している。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。