夫婦の縁とは、目に見えない赤い糸のこと―。現代では、それを本気で信じる人は少ないだろう。しかし、夫婦になるには、必然的な理由があるとする研究結果がある。
遺伝子にも関与か
最近の研究によると、夫婦の縁には遺伝子が関与していることが分かった。米コロラド大学ボールダー校のベンジャミン・ドミング氏(Benjamin Domingue)が率いる研究チームは、アメリカに住む白人夫婦825組の遺伝子構成を分析した。その結果、配偶者同士の遺伝子は、アットランダムに選ばれたカップル同士の遺伝子よりも、より高く相似していることが分かった。従って、夫婦になることは偶然ではなく、必然的な要素が関与していると指摘する。今年5月、『Proceedings of the National Academy of Science』 で発表された。
研究者は、「このような結果になった原因のひとつに、近くに住む人や同一民族の人と結婚する傾向が高いことが挙げられる」と指摘している。
夫婦の因縁と前世
近年、催眠下で前世を回顧する「催眠療法」が北米で多く行われている。これは、人々の今生の心理的な疾病および長期にわたる肉体的な病苦は、前世の人生経験に由来しているため、それを振り返れば病気が治るというもの。催眠下にいる患者が前世の人生に意識を遡らせ、現在の病気と前世との間の因果関係を悟ると、病気が改善するケースが多いという。
これらの症例を記録する資料の中から、今生の夫婦は前世に何らかの関わりがあることが分かった。世界的に有名な心理学者ブライアン・ワイズ(Brain Weiss)博士は、著書で次のような症例を記している。
全く面識がない一人の男性と一人の女性が同じ時期に、ワイズ博士の診療所を訪ねてきた。二人はそれぞれ、2千年前のエルサレムにいた時期を思い出していた。その時、彼らは父親と娘の関係だった。父親はローマ兵士の拷問を受けて最後に娘の懐で亡くなった。二人は今生、診療所で一度会ったことがあるが、ワイズ博士は二人に、互いの関係については一切話さなかった。しかし、二人は偶然にも帰りの飛行機で再び出会い、恋に落ちたのである。
一方、すべての前世の因縁が、すべて喜ぶべき結果をもたらすとは限らない。悪縁によって夫婦になることもあり、それは前世の貸し借りがある場合が多い。前世の債務は今生で返さなければならないからだ。
良い縁にしても悪い縁にしても、すべて長い歳月を経て形成される。中国には、次のような諺がある。「10年の因縁があって、はじめて同じ船に乗るチャンスが得られる。100年の因縁があって、はじめて夫婦になるチャンスが得られる」。 したがって、すべての縁はとても貴重なのだ。
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