【大紀元日本12月2日】ヘクソカズラは東アジアに分布し、日本全国の日当たりの良い林、道端に自生しているアカネ科の蔓性多年草。茎は左巻きで他の植物や近くの物に絡み付き、葉とともに特異な臭気がありますが、8月ごろには筒状で中が赤い可憐な白い小花を咲かせます。秋に直径5ミリくらいの光沢のある球状の実をつけ、熟すと黄金色になります。茎葉と実は乾燥させると臭いはなくなるようで、実は鶏屎藤果(けいしとうか)、根茎を薄切りして天日乾燥すれば鶏屎藤という生薬になります。
【学名】Paederia scandens
【別名】灸花(ヤイトバナ)、早乙女花(サオトメバナ)、クソタレバナ
【成分】ヘデロシド、イリドイド化合物、アルブチンなど
【薬用効果】鶏屎藤は腎臓病、下痢に有効で、利尿薬、下痢止めに使用します。1日量は乾燥物10グラムを煎服します。鶏屎藤果は抗菌作用があり、生の果汁は皮膚に潤いをもたせ、しもやけ、ひび、あかぎれなどに効果があります。
昔から民間で外用薬として使われ、熟した生の実をそのままつぶし、市販のハンドクリームに加えてよく練り合わせて手足にすりこみます。冬場、山仕事中の手あれの応急処置にも便利です。アルコール浸出液とグリセリンを加えて化粧水としても使用されます。
また、野外で毒虫に刺された時など、ヘクソカズラの花でも葉でも揉んで汁液を付けると効き目があります。止血、鎮痛作用があります。
【余談】万葉の時代からの呼び名はクソカズラで、枝や葉をもむと悪臭があるからのようですが、愛着は持たれていたようで、和歌にも歌われています。この臭いのため、この植物を食べる虫はほとんどいないそうですが、小鳥はこの実をたべています。また、雪の日に黄金色の実が光っているのは、なかなか風情のあるものです。枯れた実と蔓はリースなどの飾り物にも利用され、生活に馴染んでいることがうかがえます。
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