【生活に活きる植物】 46・大葉子(オオバコ)

【大紀元日本11月4日】オオバコはアジアに分布するオオバコ科多年草。春から秋にかけて花茎の先に穂状の白い小花が付きます。道端や空き地に生えるので、花茎や葉は踏みつけに対応できるように丈夫な維管束が発達しています。果実は楕円状で、熟すとゴマを小さくしたような黒褐色の種になり、これを天日乾燥したものが生薬の車前子(しゃぜんし)です。全草を乾燥したものは車前草、葉だけを乾燥したものは車前葉と言います。

【学名】Plantago asiatica
【別名】相撲取草、オンバコ、カエルッパ
【成分】粘液質、タンニン、オークビン、プランタギニン、脂肪酸など

【薬用効果】車前子は肝、腎、肺に働き、利尿、解熱消炎、去痰止咳、止瀉などの作用があり、小便不利、関節炎、下痢、眼精疲労、結膜炎などに有効です。一日量は乾燥物3~9グラムを煎服します。車前草も効能はほぼ同じで、一日量は乾燥物9~15グラム、生葉は30~60グラムを煎服します。腫れ物の吸い出しや切り傷には生葉を火であぶって患部に貼ります。

【食用】オオバコは救荒植物の一つで、若芽をゆでてから水にさらし、和え物やお浸しに、生のまま天ぷらに、または刻んで米に炊き込みます。最近では、種子に含まれる不溶性植物繊維が健康補助食品として注目されています。また、カルシウムが多く、陸ガメの餌となります。

【余談】昔、二つのオオバコの花茎を曲げて引っかけ、引っ張りあって強さを競うという子どもの遊びがありました。人や車に踏みつけられても生き残る非常に生命力の強い薬草で、車前草の名前の由来となりました。また、葉が大きいことから大葉子と呼ばれたようです。路傍雑草の代表格で、果実に粘着性があり、靴などに付着しても広がります。同属外来種にヘラオオバコ、ツボミオオバコがあります。

オオバコの株

(文と写真・ハナビシソウ)