チベット密教の法具のひとつとして知られるシンギング・ボウル。金属製の椀の縁を木製の棒で擦ると、中に入っている水にさざ波が立ち、神秘的な倍音が生じる。アメリカとベルギーの研究者らは、水が金属に共鳴する様子をハイスピードビデオで捉えた。
チベットの椀は一般的に青銅製で、銅、スズ、亜鉛、鉄、銀、金、ニッケルが含まれている。棒で擦られた椀は振動し、微かに変化する椀の形が波を起こす。この変化が大きければ波は壊れ、水滴が放出する。ベルギーのリアージュ大学と米マサチューセッツ工科大学の研究者らは、この現象を分析し、ビルや橋の風荷重などエンジニアリングの分野に適用したいとしている。
同論文の執筆者の1人、ジョン・ブッシュ教授は、「我々の実験は流体と個体の相互作用を示すものですが、エンジニアリングへの適用からというよりは、好奇心が動機でした」と話している。
同論文は今月1日、ジャーナル誌 Nonlinearityに掲載された。
(YouTubeより)
(翻訳編集・郭丹丹)
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