【大紀元日本5月14日】かれこれ半世紀以上前にベストセラーとなった、ノーマン・ヴィンセント ピール (Norman Vincent Peale)氏の『積極的な考え方の力(The Power Of Positive Thinking)』という本がある。人は希望を持てずに生きる力をなくした時、考え方を変える事で再び新しい世界が開けると説く。困難にぶつかった時、生きるヒントを与えてくれる貴重な本だ。
本に書かれたあるエピソードが印象的だった。
ある男性がピール氏に電話をかけてきた。彼はピール氏のオフィスに来ると、ひどく意気消沈した様子で生きる希望を失ったと話す。「僕は底なしの暗闇にいて、生きる気力がない」
ピール氏は同情しながら、「あなたの状況を見てみましょう」と静かにいった。ピール氏は紙の真ん中に線を引くと、左側に彼が失くしたもの、右側には彼に残っているものを書くようにと指示した。彼はピール氏に、「右側のコラムは必要ありません、私には何も残っていないのだから」と悲しそうに言った。
ピール氏はすかさず彼に質問した。「あなたの奥さんが去って行ったのはいつですか?」彼は、「それはどういう意味ですか?彼女は去っていませんよ、彼女は私を愛しています」と答えた。
「それは素晴らしい」とピール氏は少し大げさに言うと、「右側のコラムに一つ加えてください、奥さんは去っていないと。ところで、あなたのお子さんが刑務所に入ったのはいつですか?」と聞いた。
「それはひどい。子供たちは刑務所になど入っていません」と彼は少し怒ったように言った。「それは良かった。二つ目を右側のコラムに加えてください。お子さんは、刑務所に入っていないと」
同じような質問を数回繰り返すと、最後に彼は何かを悟ったように微笑んだ。「おかしいですね、あなたの方法で考えたら物事がこんなに変わるなんて・・・」
考え方が変わると、世界も変わる。愚痴や不満ではなく、感謝と希望で心を満たすだけでいい。ほんの少し見方を変えるだけで、人生が変わることもあるのだ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。