【大紀元日本5月21日】英ロンドン郊外のキュー王立植物園(Royal Botanical Gardens,Kew)は、2年前に絶滅した世界最小のスイレンの栽培に成功した。この極小スイレンの原産地はアフリカ中部のルワンダ。葉の直径はわずか1センチである。花弁の色は白く、花の中心はクリーム色で、淡水温泉の近くの沼地で育つことから、「温泉スイレン」とも呼ばれる。1985年、ドイツの科学者により発見されたが、2年前、現地の人々が温泉水を田畑の灌漑に過度に使用したため泉が枯れ、極小スイレンも姿を消した。
世界最小のスイレン、オニバスの花と比べるとこんなに小さい(Getty Images)
このスイレンを発見した科学者が、種子をドイツのボン植物園に運んだ。同園の園芸家が栽培を試みたが成功せず、種子だけが保存された。キュー王立植物園でも種子と苗をもらい、専門家が普通のスイレンと同じように水中に植えたが、繁殖させることができなかった。
数回の試行錯誤を重ねた後、園芸家のカルロス・マグダレナさんは、ドイツの科学者によるスイレンが自生するための自然環境に関する文書を読み、この極小スイレンは、大量の二酸化炭素と酸素を必要とするため、葉が空気中に出ていなければならないことを知った。
マグダレナさんはボン植物園から最後の種子を取り寄せ、肥えた土を入れた鉢に温水の入った鉢を入れ、その中にさらに種子の入った鉢を入れて育てた。これにより8株のスイレンが成長し、09年11月に初めて開花した。キュー王立植物園では同園で栽培に成功した種子を園内で育てている。
同園では5月22日の国際生物多様性の日(International Day of Biological Diversity)の活動として、温泉スイレン以外にも、同園の園芸家の手により絶滅の危機ら救い出された稀少植物を展示する予定である。
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