【大紀元日本3月15日】
レセプション・イヤー(1994年)
イギリスの義務教育は、5才から始まる。
幼稚園には入園式はなかった。案の定、小学校にも入学式がない。その上、入学時期が誕生月によって、まちまちだった。その子が5才になる学期に小学校入学準備にあたるレセプション・イヤーの生徒となる。娘の場合は3月生まれだったので、5才になる手前の1月から、レセプション・イヤーに入った。そして2学期間通った後、9月から小学1年生となる。
幼稚園と違い、もう少し枠組みがあり、読み書きも本格化してくる。但し、イギリスの学校には教科書がない。
みんなで声を合わせて同じページを読むことは全くない。読みの練習用のシリーズ本があって、一冊読んだら次の本に進む。個人別にカードが作られ、読んだ本の名前とページが日付ごとに記録される。先生と一緒に1対1で学校で読み、続きを家庭で親と一緒に読む。小学校の大きなクラスでは、ボランティアのお母さんが読みと算数の手伝いをしていた。ボランティアの仕事で認められると、やる気のあるお母さんたちにはアシスタントになれる道が開かれているようだった。
まさに、「一人ひとりがちょうどのところ」にツボを当てた教育だと関心した。どんどん読み進めば、どんどん級が上がる。飽きることがなくて面白い。
しかし、離婚の多いイギリスでは、家庭崩壊で子供の面倒どころではないケースも多く、親の手が足りない子は、出足から遅れてしまう。マイペースで才能を育むシステムかもしれないが、全体のレベルは引き上げられないので、早期から落ちこぼれを生み出しかねない。実力の格差は、小学校の学年が進むに連れて顕著になっていった。
(続く)
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