【大紀元日本12月21日】
クリスマスプレゼント
日本のお年玉と違い、イギリスではプレゼントを渡す。子供がある程度大きくなってしまうと、クリスマスカードに現金や小切手がはさまれるようになるが、幼児にはプレゼントは欠かせない。
日本にはクリスマスプレゼントの習慣はないので、実家の母が、のりやせんべいなどを箱に詰めて送ってくれた。娘用の日本のこまごましたグッズ類を 一つ一つ包装し「日本のおばあちゃまより」とラベルをつけて、サンタさん袋の隙間に入れた。日本の家族とは離れているのだが、こうして、プレゼントを開けることで、皆で祝っている気持ちになる。
イギリスではクリスマスは日本の正月のように家族が集って祝う。25日までにカードとプレゼントを人に渡さなければいけない切迫感は、まさに日本の師走である。そして25日の昼食にクリスマスディナーを食べるのがメインの行事。日本の正月が1週間早く来るようなものだ。
「小さい頃は南アフリカでこうして育ったの」と毛糸の靴下に小物を詰めて娘にプレゼントしてくれた知り合いがいた。夫も、現代の商品化されたクリスマスを嫌い、自分が小さい時は、毛糸の靴下をベッドに下げておくと、クリスマスの朝、木の実とフルーツと小さなおもちゃが入っているのをみつけて、すごく嬉しかったと教えてくれた。以後、我が家では、クリスマス用の毛糸の靴下をキッチンの椅子にかけるようにした。
また、小学校にあがると、他のお母さんから、お疲れのサンタさんをどうやってねぎらうか、という情報も得るようになった。ミンスパイ(レーズンの入った小さなパイ)とシェリーを台所に置いておくことは、夫に聞いていたが、となかいのルドルフ君のために人参も用意するとか。すると翌朝、ミンスパイがなくなって、人参もかじりかけになっている。毛糸の靴下の中にはフルーツと歯ブラシが…。家に来るスーパーサンタさんは、丁重な方で、”Ta”(Thank you の略)とそのへんの紙に毎年、書き残して行ってくれた。
娘が幼い頃、 「サンタさんはマミーの言葉?ダディーの言葉?」と素朴に問いかけてきた。「サンタさんは、ぜんぶの言葉が分かるのよ」と答えたら納得したようだった。
そして、少し成長してから「サンタさんはいるの?」と聞かれたので「いると信じている子のところにだけ来るの」と答えた。サンタさんは本当にすごい。
(おわり)
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