【英国通信】季節はずれの花火大会で大賑わい

【大紀元日本11月8日】アメリカ初の黒人大統領誕生とのことで、全世界が湧き上がっていますが、さる11月5日は、イギリスでは「ガイ・フォークス・ナイト」と呼ばれる焚き火と花火の祭りであちらこちら賑わいました。

この行事、もともとは1605年にイングランドで発覚した火薬陰謀事件に因んだもので、当時イングランド国教会優遇政策のもとで弾圧されていたカトリック教徒の中の過激派ロバート・ケイツビーが首謀。1605年11月5日の上院議院開院式に出席する国王セームズ1世らを、国会議事堂の地下に仕掛けた火薬で爆殺する実行責任者がガイ・フォークスでした。陰謀は直前に露見し、ガイ・フォークスは処刑されます。

かつては、毎年11月5日の前になると、子供が手作りの実物大の人形を道端に置いて、“Penny for the Guy”(ガイに1ペンスを)と道行く人からお金を集めていました。この手作り人形は当日、焚き火で焼かれる運命にありました。でも、今はあまり見かけない風景で、もっぱら大きな焚き火の横での打ち上げ花火大会となっているようです。

この寒い11月に外で花火大会なんて、と日本人の感覚では実に不可思議ですが、緯度がかなり高い英国では、夏は日が長く、夏祭りの花火を楽しむためには、夜11時まで待たなければならないので、小さい子供にはおあずけとなります。そこで、11月だったら午後7時頃に小学生低学年を対象に地元の町会や学校が花火大会を開催できるわけです。

今年の「ガイ・フォークス・ナイト」は、天候にも恵まれ、例年に漏れず多くの子供たちの心を掴んだようです。

(ゆかり=英国)