【大紀元日本3月9日】昔あるところに、小さな島がありました。そこには、「快楽」「悲哀」「知識」「愛」、その他様々な「感情」たちが住んでいました。
ある日、それらの「感情」たちは、その島がまもなく沈むことを知りました。そこで、皆は船を準備し、島から離れました。しかし、「愛」だけは留まり、最後の一刻まで頑張りました。
数日経つと、小島は本当に沈み始め、「愛」は人に助けを求めました。
すると、「富裕」が大船でそこを通りかかりました。「愛」が「富裕さん、私を乗せてくれますか?」と言うと、「富裕」は、「駄目だね。私の船はこのように金銀財宝がどっさり積んであるんだ。君の居場所などないよ」と答えました。
「愛」は、ある綺麗な小船の上に「虚栄」を見つけると、「虚栄さん、私を助けて下さい!」と言いました。すると、「虚栄」は「私はあなたを助けることはできない。あなたは全身ずぶ濡れなので、私のこの綺麗な小船が台無しになってしまう」と答えました。
今度は「悲哀」がやって来たので、彼に「私を連れて行って!」と助けを求めると、「あ…私は本当に悲哀だ。しばらく一人でいたい!」と答えました。
「快楽」も「愛」のそばを通り過ぎましたが、楽しすぎて「愛」が呼んでいるのに気が付きませんでした。
突然、ある声が聞こえてきました。「こっちに来なさい!『愛』、私が連れて行ってあげよう」。それは、ある老人でした。「愛」は望外の喜びで、うっかり彼の名前を聞くのを忘れてしまいました。陸地に上がると、長者は独りで歩いて去っていきました。
「愛」は感謝に堪えず、別の老人「知識」に、「私を助けてくれたあの人は誰ですか?」と聞くと、「知識」老人は「あの人は『時間』だよ」と教えてくれました。
「『時間』?…どうして『時間』さんが、私を助けてくれたの?」と「愛」は聞きました。「なぜって…時間をかけなければ、愛の偉大さは分らないからさ」と、「知識」老人は答えました。
(明慧ネットより)
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