【大紀元日本1月12日】明朝の後期、後に後代の人々から「明清四大高僧」の一人と謳われた、憨山(ハン・サン)和尚という人物がいた。これは、憨山和尚が托鉢をしていたときのエピソードである。
ある年、憨山が揚州を行脚していると、大雪に見舞われ、病気にもなったので、しばらく逗留しなければならなくなった。
少し経つと、憨山の病は好転したので、托鉢をするために街へ出かけた。彼は民家まで来て声を出そうとするが、なかなか声が出ない。仕方ないので門前でうろうろと徘徊していた。
憨山ははたと考えた・・・これは一体どうしたことか?ふとポケットの中を弄ると、銀貨二枚を見つけ、そして忽然と悟った。元々、この銀貨に頼る気持ちがあって、この銭に執着していたから、声が出なかったのだ。
このとき、彼は雪の中で僧侶たちが托鉢しても食べ物が得られない光景に出くわした。彼は、すでに少しも躊躇することなく彼らを食堂に招きいれ、その銀貨を使って、一同と腹一杯になるまで食べた。
翌日、憨山はまた街に出て托鉢した。民家の門前まで来ると、自然に口が開いて托鉢ができ、食べ物を得ることができた。
資料源:《憨山大師の一生》
(翻訳=太源)
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