【大紀元日本10月6日】中国の魏の国でのお話です。南斗の星は生を管理し、北斗の星は死を司っています。天文や人相を見る名人が農夫の子どもの顔をみて、「ふびんだが,20才までは生きられまい」とつぶやきました。
農夫はびっくりして、子どもの命が延びる方法をたずねます。名人は「上等の酒一たると、シカのほし肉をもって、麦畑の南のはしにあるクワの大木のところにいってみなさい。二人の仙人が碁をうっているから、なにもいわずにおじぎをして、それをすすめるのじゃよ」と教えました。
さて、一局がすんで農夫がいるのに気づくと、北の仙人(北斗の神)は農夫をしかりつけました。ところが南の仙人(南斗の神)はそれをなだめ『寿命帳』を調べて、農夫の子の名を見つけ「十九才」とあったのを「九十才」にひっくりかえしてくれました。
「死」ではなく「生」を司る南斗の神が、農夫の願いを聞き入れてくれたのです。人相の名人にそのことを報告すると、農夫から何一つお礼も受けずに立ち去りました。農夫が願いを叶えたポイントは、その通りにしたことでした。
秋の星空が美しい季節に、神の願いを届ける「鹿のほし肉」を手土産にしたことも要領を得ていました。さて、件の名人は何のために子どもの寿命を延ばすことに、手を貸したのでしょうか?平凡な子どもにも、非凡な運命のチャンスがあることを農夫に教えたのです。
(甚)
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