高額な入学金が徴収される中国の義務教育

【大紀元日本7月24日】中国でも国によって小学校から中学校までの一貫した義務教育制度が実施されている。しかし、実際には、高額な学費や教材費、各種名目の雑費が徴収されており、一部の学校では入学金も要求されている。その入学金の相場は、数万元から数十万元(中国人の平均年収は約2万元、1元=14円)にもなっている。その一方では、集められた資金の大半が、官僚らによって横領されているとも言われている。

昨年11月の新華社ネットの報道によると、安徽省合肥市内の第42中学校の前校長・賈鴻が会計担当者と共謀し、学校の資金を着服、数軒もの高級マンションの購入に当てていたということが発覚した。賈鴻は執行猶予4年、懲役3年の有罪判決を受けたとされる。

重慶市の調査資料によれば、同市の一部の中学校における入学金が、学校のランクにより決められていることが明らかになった。ある進学校の入学金は4万元が最低ラインとなっていた。また国が救済の対象と指定した貧困地区における進学校でも、1万元から2万元の入学金を徴収しているという。

また、昨年7月北西部の寧夏県銀川市では、13歳の小学生・秀秀ちゃんは、中学校の入学に10万元もの入学金が必要であることを知り、親に負担を掛けまいとして自殺したことが明らかになった。

義務教育における負担が増加するに連れ、学校に通えない貧困家庭の子供が増えている。

ある記者が北西部の貧困地区で8歳の羊飼いの男の子を取材した。

― 放牧の仕事をする目的は何なの?

「お金を貯めるんだ」

- お金を貯めてどうするの?

「家を建てるんだ」

-家を建ててどうするの?

「お嫁さんをもらうんだ」

- お嫁さんをもらってどうするの?

「子供を作るんだ」

- 子供はどうするの?

「羊を放牧してもらうんだ…」

中国の貧困地区には、この男の子と同じような境遇の子供が数多くいる。これは経済発展の背後に隠された低所得層の実態でもある。