【大紀元日本9月10日】近年、中国の小中高校で、費用の不正徴収が横行し、大きな社会問題となり、中国各界から強い関心が寄せられているという。この問題について、米国のVOAが現地の人々にインタビューを行った。
お金で前列のよい席を確保
高校を通う妹をもつ蘇省在住の葉氏の話によると、中国では教育界の腐敗が至る所に広がっているという。葉氏は、中国の小中高でお金の不正徴収問題は日増しに深刻になっており、特に名門中高の場合、裏口で1万元(1元=14円)を払えば、試験の得点を1点加算されるとその実態を語った。葉氏自身は、妹を名門高校に入学させるために、3万元の寄付金を支払ったという。入学後、妹の座席が教室の後部にあり、黒板の字がよく見えなかったため、座席を前へ移してもらうために、担任の先生に数百元を包んで渡したという。
葉氏は、子供がより良い教育を受けられるようにするために、賄賂も仕方のないことだと話した。
強制的に行われる補習
また、同じ江蘇省在住の王氏は、一部の小中学校では強制的に補習授業を行っているため、貧困家庭の生計を厳しく圧迫していることを述べた。
王氏によると、もともと補習は自由参加だったが、今は強制的に参加させられているという。学校側は親に対して、お金を払って補習に参加させなければ、新学期からの成績は自己責任になると捨てぜりふを吐いたという。
誰の恥?
浙江省在住の戴氏は、中国共産党は50年あまり政権を執行してきたにもかかわらず、未だに小中学校の義務教育を普及させることができていないのは国の恥だと話している。
戴氏は、中国国内では、いまだにたくさんの貧しい農村部の子供たちは教育を受ける機会がなく、これは中国政府の恥であり、中国政府が「子供は国の花」だと言っているが、子供たちは受けるべき教育を施されていない。
戴氏は、貧しい子供たちが教育を受けられるように、国は援助しなければならないと話した。中国は解放されてから、すでに50数年が過ぎたのに、未だにこういう状態なのは、本当に中国政府の恥だと語った。
7クラスにわずか4人の教師
統計によると、中国政府が教育に投入した費用は国民総生産の約2%で、世界各国の中でも最低ランクであるという。そのため、中国国内の貧困地区の学校では、経費不足によって、授業はまともに行われていない。これについて、四川省の辺鄙な農村に住む彭氏は、村の小学校に7クラスあるのに対し、教師は4人しかいないと話した。教員の数が明らかに不足しているが、現時点では成す術もなく、時には知識が不十分な人でも、臨時教師として雇ったりするしかないと不満をあらわにした。
多額な授業料、子の落第を祈る親たち
江西省在住の陳氏の甥は、今年の高校受験で20点の差で名門校に受からなかった。結局、1万元を払ってやっと入学できたという。陳氏の母は、30数年間も働いているが、月給は300元あまりしかない。ところが、今回の賄賂で、母の3年間分の給料がまるまる吹っ飛んでしまったという。
また、ある成績の優秀な女子生徒が受験した時、その母親は、娘が受からないように祈ったという。娘が受かっても、学校へ行かせるお金がないから、受からなければ親としても心が咎めないからだという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。